第3話 今度は

 早田壮太は落ち込んだ表情で帰宅した。初めてのゲートキーパーの卵として失敗したからだ。早田壮太は自分の部屋でゲートキーパーの独学の復習をしている。早田壮太は林茜の表情が記憶に焼きついている。


 早田壮太は眠りにつく前に、林茜を助けることはできないかと考える。でも、あんな表情をされて、もう一度話を聞くことはできないと早田壮太は思った。


 翌日のアルバイト、スタッフルームに待機をした早田壮太。そこに林茜がやって来る。お互いに落ち込んだ表情である。林茜の方からこう言う。


「昨日はごめんね。私が感情的になっちゃって……。今日のアルバイトの終わりにもう一度話を聞いてくれるかな?」


 これに早田壮太は今度は失敗しないように考えてオーケーする。


 二人はアルバイトを終えて、近くの公園のベンチに並んで座る。林茜は学校で人間関係づくりが苦手、人間関係が出来ても上手く付き合えない。繰り返しの悩み事の話である。


 早田壮太はこう言う。


「わかるよ、ぼくも人間関係づくりが苦手だからね」


 早田壮太のこの共感の言葉に林茜は安心した様子。林茜は早田壮太に連絡先を教える。

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