第2話 失敗

 早田壮太と林茜はアルバイトを終えて夕方のカフェに。早田壮太は初めてのゲートキーパーの卵として林茜から悩み事を傾聴という形で聴く。


 二人はアイスコーヒーを注文する。


「あのね、私は悪くないって思うんだけどね……」


「何があったの?」


 早田壮太の傾聴が始まる。林茜は落ち込んだ表情である。


「私は人間関係の悩みから勉強が力が入らないの」


「うんうん。もうちょっと話せるかな?」


「私は学校で人間関係づくりが苦手なの。人間関係が出来ても上手く付き合えなくて」


「そうなんだ。うんうん」


 林茜の悩みを聴いて、早田壮太は少し沈黙する。ゲートキーパーとして、当事者との会話の中で沈黙も大切なことである。


「元気出して」


 この早田壮太の安易な励ましがいけなかった。


「元気出してって……、私は本当に困っているの! 元気なんか出ない!」


 早田壮太はすぐにしまった、そう気付いたが遅かった。


 林茜は目に涙を浮かべて、さっさと一人でカフェを出た。


 怒らせてしまった……。早田壮太は後悔をした。


 さて、ゲートキーパーの卵として、早田壮太はどうするのだろうか?

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