第2話. 皇先輩
皇先輩、彼はサークルの先輩で変人であった。途中でサークルに来なくなり、伝説の先輩へと化したが、もともとわれらが「さかみちメイリーン」は来るも来ないも個人の自由。誰も彼の行方を探ろうとはせず、彼の話題も自然消滅していき、名前を聞いてやっと思い出すくらいの存在になった。まあ、飽きたのだろう。サークルの活動内容としては、ただだべりながら小説を書いたり読んだりするだけだった。変人ながらも授業に関してはそこそこマジメだった彼には留年率高めの「さかみちメイリーン」は不相応だったのかもしれない。まあでも変人の日記には私も興味がわいたし、確かに他人の日記を勝手に読むのは元著作権ポリスの私には多少ははばかられたわけだがなんせ30年以上前のものだ。さすがに時効だろ、そう思って私は日記を羽織っていたジャケットに突っ込んで、おまけの清掃作業にやっと精を出し始めた。
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