第2話 ようこそ!恋愛相談部へ!!

 「恋愛相談」と書かれたドアを開けると、二人の女子生徒がいた――


「ようこそ!恋愛相談部へ!!相談ですか!?それとも入部ですか!?てか二人!?入部してほしい!!」

直美なおみ落ち着いて。二人とも驚いちゃってるから。」

「あ、ごめんごめん。とりあえず、こっちに来て。」


 俺たちは驚きつつも、直美と呼ばれた女子に案内されて、席につく。

 この部屋には一つの長机があり、六つの椅子が長机を挟んで三つずつ向き合うように置かれている。俺と勝斗はそのうちの二つに並んで座っており、対面側に女子二人が座った。

 そして、直美と呼ばれた女子が口を開いた。


「あ、まずは自己紹介からだね!私は、白河直美しらかわなおみ!二年三組で、この恋愛相談部の部長をしています!」

「私は、水野凛花みずのりんか。同じく二年三組で、一応この部の副部長をしています。」


 白河直美と名乗った女子は、黒のロングヘアで、前髪を黄色いハートの付いた髪留めで留めており、二重のぱっちりとした目をしており、少し黄色っぽい黒の瞳をしている美少女。

 そして、水野凛花と名乗った女子は、青みがかった銀髪のショートヘアで、前髪を青色のヘアピンで留めており、黒縁の眼鏡をかけた青い瞳の美少女。


「俺は一年二組の木ノ下勝斗です!よろしくお願いします!」

「同じく一年二組の鯉川蓮です。よろしくお願いいします。」


 そういって俺たちも名乗る。

 すると、白河先輩が目をキラキラさせながら聞いてくる。


「えっとえっと、二人はもしかして体験入部に来たの?」

「はい!こいつが恋愛マスターって呼ばれているので、一緒に行こうぜ!って誘ってみたんですよ!」

「別に俺は、恋愛マスターなんかじゃ――」

「恋愛マスターなの!!?」


 白河先輩が口に手をあてながら驚いているのか声をあげる。


「ねぇ!ぜひ!ぜひこの部活に入って!」

「ちょっと直美?強引は良くないよ?」

「あ、そっか。ごめんなさい。」


 水野先輩に注意されて、白河先輩は少し凹んでいる。てか、この人元気良いな!あの勝斗が少し引いているんだけど。

 それはさておき、恋愛マスターについて言っとかないと。


「えっと、恋愛マスターって呼ばれていることについてなんですけど、中学のときに恋愛相談に乗ることが多くて、それで恋愛マスターって呼ばれていただけですし、別に今は呼ばれていませんよ?」


 俺がそう言うと、水野先輩が口を開ける。ちなみに白河先輩は反省しているのか、静かになっている。


「つまり、恋愛相談に乗ることには慣れている。ってことで良い?」

「えっと、そうですね。他の人に比べたら、慣れているかもしれません。」

「慣れているところじゃないですよ!こいつのアドバイスで、十組以上のカップルが誕生しているんですから。」


 勝斗め…言わなくていいことを……。


「えー!そうなの!?ぜひ――イテ!」


 あっ、白河先輩が復活したと思ったら、水野先輩にチョップされた。


「えーとね。この部活、私と直美しかいないんだ。」

「え、そうなんですか!?」

「うん、私たちが作った部活なんだけど、あまり実績が残せなくてね。部員が増える気配が無いんだ。」

「だからね!二人にはどうしても入ってもらいたいの!」


 白河先輩復活。

 さて、どうしよう。正直、俺としては、入っても良いかな、って思っているけど、勝斗はどうだろう。と俺が考えていると。


「俺は、蓮と同じ部活に入れれば良いんで、蓮に任せます。」


 ……こいつ、俺に丸投げした。


「そういうわけで、俺と勝斗は入ろうかと思っているんですけど。」

「わかった!入部届けが書けたら、私たちに提出してくれたらいいからね!」

「あっはい。」

「よし!俺は今から書くぜ!蓮もほら!」

「ちょっ、今から!?」

「善は急げ、っていうだろ!ほらほら!」


 俺は勝斗に急かされて、鞄から入部届けを取り出し、勝斗と一緒に記入を始める。


――入部届けを書き終えて、白河先輩に提出し、活動日や詳しい活動内容について教えてもらう。とは言っても、どうやら学校がある日は基本、部活があり、お客さんが来ない限りは雑談したり、各々好きなことをするらしい。

 それもここ数ヶ月は、お客さんが来てないらしいので、もはや部活とは?っと、俺が考えていると、ガラガラっと部室のドアが開き、一人の男子が入ってきた。


「えっとー、ここが恋愛相談部で合ってますか?相談しに来たんですけど……」


 あっ、お客さん来た。

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