第20話(米軍反転攻勢の胎動)

二十話(米軍反転攻勢の胎動)


勝和17年(1942年)8月7日、日本軍は米軍によるソロモン諸島、ガダルカナル島・ツラギ島・ガブツ島・タナンボゴ島への上陸を許してしまった。

自慢の機動部隊は修理と補給を終えてソロモン方面へと向かっている矢先のことだった。

ガダルカナル島に飛行場を建設した日本軍は僅か600名程度だった。


「米軍の大規模反転攻勢は勝和18年(1943年)以降と思われる」

という大本営の思い込みが災いした。


勝和17年(1942年)8月7日午前4時、アメリカ海兵隊第1海兵師団長アレキサンダー・ヴァンデグリフト少将率いる10.900名の海兵隊員が、大挙して上陸した。

たちまちのうちに日本軍飛行場は米軍の手に落ちてしまった。


その際に日本軍が遺棄した米・製氷工場・大型発動機はそれぞれ、兵士の食料・アイスクリーム・照明などをもたらした。

「ジャップは最高の置き土産を残していったぜ!」

などと米兵が言いそうな最大のプレゼントとなってしまう痛恨事となった。


ガダルカナル島を巡る悲劇の戦いは米軍反転攻勢の胎動を見せながら、日本軍を更なる悲劇へとジワジワと追い込んでいくことになるのである。


札幌民主自由国はこのような状況下で全く無力であった。

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