第15話(帝都東京奇襲される)

十五話(帝都東京奇襲される)


勝和17年(1942年)4月18日に日本軍に青天の霹靂の事態が訪れる。

米空母『ホーネット』から陸軍機B-25爆撃機を発艦させて帝都東京に奇襲攻撃を仕掛けたのだ。

「ジャップの慌てふためく姿が目に浮かぶ」

『ホーネット』座乗司令官、ハルゼーJr.はほくそ笑んだ。

陸軍機に着艦能力は当然ながら無い。

「爆撃を終えたらそのまま中国側の大陸に着陸せよ」というかなり乱暴な奇策であった。


札幌国は歴史として知っている出来事ではあったが、何もかもが歴史通りとは限らないだろうと帝国日本への警戒要請を怠ってしまった。

「既に我々というイレギュラーな存在がいる以上どうなるかわからんだろう」

田ノ浦真守(一佐)ですらそのように捉えていた。


空襲の被害そのものよりも、皇居のある首都に空襲を許してしまったことは軍部の面目丸潰れであった。

山本長官とて例外ではなかった。

「真珠湾に空母が居なかったツケがまわったな。一刻も早く敵空母を叩かねばならん!」

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