第14話(快進撃と戦艦大和の使い道)
十四話(快進撃と戦艦大和の使い道)
帝国日本の攻勢は快進撃と呼べるほど滑り出しの良い展開を繰り広げていた。
その最中の勝和16年(1941年)12月16日、戦艦『大和』が竣工した。この日には日本軍は北ボルネオに上陸を果たしている。
山本五十六聯合艦隊司令長官は戦艦による艦隊決戦に関して、
「そんなものは夢物語だよ」
と断じていた。しかし一方で、
「なんとか使い道はないものか…」
思案していたところに札幌国から技術協力されて予定より早く生産ラインに入ったという『三式弾』に目を付けた。
(戦艦乗りの誇りを全否定させることになるが是が非でも受け入れてもらわねば)
戦艦乗りは動く敵艦を沈めてナンボという不文律がある。山本長官はその戦艦乗りの最高峰である『大和』に対して動かない敵(陸上兵力)への艦砲射撃を命じることにしたのだ。
「私が座乗して直接指揮するしかあるまい…」
航空機主兵主義の急先鋒と目される山本が大艦巨砲主義の象徴とも言える帝国日本海軍最高の戦艦に雑用をさせようとしている。と、敵視するものから見られても仕方のない構想であった。
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