第9話(山本五十六の個人的見解)

九話(山本五十六の個人的見解)


日札同盟締結を知った聯合艦隊司令長官『山本五十六』は参謀の一人に言った。

「札幌民主自由国が我々の障害にならなければそれが一番だ。それ以上はサイレントネイビーらしくないから言わんよ」

色々な思惑を山本はよく理解していたことだろう。が、組織人で軍人の山本にどうこう言える問題でもなかった。

「進みすぎた兵器を持つあの国はこの世界に何をもたらすのだろか?」

山本は先の見えない未知の国との行く末に思いを馳せた。

「彼らは大本営が謳い文句にするほどまで協力はしてくれないだろう。我々とは感覚が違いすぎる。彼らの大首領は女性が務めているらしいじゃないか。考えられんな」

そして、

「ひとまずは真珠湾攻撃作戦に支障が出ることがなさそうなのはせめてもの救いだな」

と口を零した。

「だが、彼らの振る舞い次第で戦局は動くことだろう。良くも悪くもな」

参謀たちが立ち去ったあと山本は意味あり気にそう呟いた。

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