第3話 セフレ関係。
彼と出会ってから、数ヶ月。
彼は優しい顔してズバズバ言うタイプで。
音楽が大好きで。
そして、既婚者子持ち。
出会った当初はセフレを探していたからこそ、お互いの利害は一致していて。
たくさんメッセージのやりとりしたし、たくさん電話もした。何度もホテルでセックスをして、デートをした。
彼のお嫁さんと子どもちゃんたちがいない時には、彼の家でお泊まりもした。
私は彼のことが大好きで、ずっと一緒にいたくて、最初の頃は堂々と彼の隣に立てるお嫁さんに嫉妬したりもした。嫉妬し過ぎて泣いたり、八つ当たりしたり。
今思えば本当にヤバい女だ。
いや、既婚者の彼とセフレ関係でいる時点で相当ヤバいのは自覚がある。
彼とはお互いの家族の話しだったり、学生時代の時の話しだったり、意見の食い違いでケンカしたりもした。
その時に「ちゃんと線引きしよう」と言われ、今まで言ってもらえてた彼からの「好き」が一切なくなった。当時はそれに不満を持っていたし、捻くれてる私は「私のことは財布だと思っていいよ」とか言ったり。
そんな面倒臭い私に対しても、彼は時間を作って電話をしてくれて、2時間近くも話し合ってくれた。
そして、現在出会ってから約半年。
彼は、というか、彼の家族は私にとっての箱推しになった。
「なんで俺のことそんなに好きなんだか…。いつか刺されたりしない?」
彼はことある事にこう聞いてくる。
私は元々オタク気質だ。アニメのキャラに推しがいたり、アイドルやジャニーズにも推しがいる。
もちろん推し変もあるけれども、元々推してた人やキャラのことを嫌いになったことはない。
「刺したりしないよ、推し変したとしても嫌いにならないもん」
私はいつもそう答える。
こうして現在はセフレ関係ではあるものの、彼は私の推しになった。
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