怪我人は丁重に手厚く看護してやりなさい。クズは下水にでも捨てとけ。
やってしまった。
俺としたことが怒りの渦に引き込まれて考えナシにして行動に移したせいで怪我人が出てしまった。
足元に転がってるクズの王はそこらへんの下水道にでも転がしておけ。
授業よりも俺が怪我させた女の子の身体に異常が無いかどうか確かめなければ。
「腕上げて?」
「うん…」
当たった腕に痛みはまだあるが…折れては無いようだ。良かった。女の子に怪我させるなんてうちの師にフルボッコにされるだけじゃ済まない。それに相手に怪我させるなんて剣士の恥だ。
いつも剣道では試合以外は変な所に当たった時は大丈夫かどうか確かめる。何しろ相手に怪我させるなんか以ての外だ。
「ほんとに大丈夫だからぁ!」
「せめて湿布を貼ってくれ!冷やして動かすんじゃないぞ!?」
「分かったから!心配しすぎだって!親より心配してるよ?!」
湿布と包帯を持ってくる。まったく保健室の先生はどこに行ったんだ?流石におかしいだろ?
「脱がそうとしないで!あ〜っ!!」
「じっとしてたら余計な所はずれ無いから!」
服をずらして腕だけを露出させる。そこにあったのは腫れた皮膚と…大量の傷。
「……何だコレ…」
「だから見せたくなかったのにぃ…」
「まぁでも幹部を冷やして固定しなきゃ…」
腫れている…何だこれ?俺が着けた小さな打撲痕と…切り傷と沢山の打撲痕。
だがそれはそれでこれはこれだ。さっさと幹部に湿布を貼って包帯で固定する。
「さて…俺の質問に答えてくれるか?」
「……絶対?」
「絶対じゃない。というと何も言わなそうだからな。言える範囲で良い。」
「……じゃぁ…言うよ…」
「家庭内暴力…されてるんだ…両親に…」
「…そうか。なぜ?を聞いても良いか?」
「それを聞いてどうするの?」
「さぁ?俺も絶対じゃない限り言わないかもな。」
「じゃあ教えてくれる?絶対嘘をつかないこと。」
「ちょっと理由次第じゃ木刀で一発闘魂してやろうかなと。」
「凄い勇気だね…」
「まぁ家庭内で何があろうと自分の娘に暴力振るう奴なんざ首切り落としてやったほうが良い。」
「家庭が最悪なの。」
「どんな感じに?」
「家にお母さんの浮気相手がいるの…」
「
「うんそれ絶対暴言だねぇ!?」
「んで?それで?」
「その男…クズを煮詰めたような男だったの。」
「暴力以外で何された?」
「自腹でタバコとか酒とか買わせてきた事もあったよ…でもまだマシな方だね…酷い時なんか襲われそうだったもん。出来る限りの抵抗でなんとか守ったけど…」
「よし。ぶっ殺すか。」
「でもアイツかなり力強いよ?」
「えっwマシンパワーより強いんですかw」
「何持ってこうとしてるの?」
「チェーンソー。」
「いや駄目だからね!?」
「じゃぁボウガンで射殺するべ。」
「なんであるの!?」
「法規制前に購入済み。」
「金に余裕ありすぎじゃ…」
「だって俺貯金余裕で6000万あるし。」
「!?」
「何なら親名義で株だってやった事あるし。3000万とったどー。」
「凄いね…両親は?」
「海外で飛び回ってるよ。」
「凄い人だったぁ!?」
「実際そう。」
「良いなぁ…うちはもう崩壊してるからさ…」
「じゃ家に来ると良い。」
「…でも私は行けないんだ。」
「なんで?」
「妹がいる「じゃそいつも連れてきなよ。」
「良いの?」
「一人も二人も変わないって。」
処置を終え教室に。あいつは病院送りに。
そうして時間が過ぎ去る。
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