見えない幸福 (朗読)
朝、起きて隣に大事な人がいる。
そのちょっとした優越感に浸りながら、
起こさないようにそっとベッドを抜け出す。
朝食とコーヒーを用意していると、まだ眠そうな
君の声が聞こえる。
「おはよう」
身支度を整えてから玄関に向かう途中、
洗面所で顔を洗う君がいた。
後ろ頭のピョコッと跳ねた可愛い寝癖に
つい吹き出してしまった。
「いってきます」
そう告げると、奥から顔を出して応えてくれる。
それだけで今日も一日頑張れる気がするんだ。
夕方、君の好きなケーキを片手に家のドアを
開ける。
「ただいま」
そういうと、笑顔で出迎えてくれる君。
「おかえり」
お土産、と持っていたケーキを渡すと
さらに笑顔になるもんだからこっちまで
笑顔になってしまう。
寝室に行くと先にベッドに入り、寝息を
たてている君。
静かに隣に入り、あどけない寝顔を見せる君に
微笑みかける。
「おやすみ」
何気ない日々の会話も、当たり前のように君が
そばにいてくれるから特別になるんだと
しみじみ感じる。
気づけば胸の中に確かにある形のない幸せ。
それをずっと大事にしていきたいと思うんだ。
さざなみ台本集 漣*° @ren_sazanami216
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。さざなみ台本集の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます