さざなみ台本集

漣*°

愛しき永遠 (朗読)


人を傷つける寂しさは凶器で、

胸を苦しめる愛しさは病気だ。


そう告げられた私はあなたに解けない魔法

という名の重い荷物を背負わされたようだ。


その言葉の意味が理解できず、その場に

取り残された感覚だけが自分の中にある。


なのに、あなたは私を残して旅に

出てしまった。


あなたを失ってしまった私はこの街で

どんな明日を探したらいいのだろう。


あなたがくれた暖かくも冷たい呪いの

ようなこの想いを胸に抱きながら生きて

行くには、この世界は私にとって息が

しづらくて仕方がない。


あなたとさよならをするなんて微塵も

思っていなかったのだ。


冷たく凍ってしまった私の心は、

柔らかな温もりや涙で濡れても

溶けてはくれない。


あなたの残した呪いの意味を理解した時、

私の視界は酷く滲んだ。


その滲む視界で見るあなたのいない世界は

ひどく残酷なほどに美しく見えた。


長い時間が経過してもあなたが最後に

告げた呪いの言葉を私はどうやら

捨てることができないらしい。


あなたのすべてがカタチをなくして

しまっても、呪いとなり私の中で永遠に

光り輝き続けるだろう。

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