朧月の夜明けに

黒崎灯明

プロローグ

" 君を、朧月の夜明けに迎えに来るから "


ある日、大好きな彼から手紙で伝えられた言葉。

目の前に私はいたはずなのに何故か手紙で伝えられた。

でも、大好きな彼の手紙を読むと必ず目から大粒の涙が流れる。

そして、涙が流れたあとには手が震え、寒気がして、息切れがする......。






二週間前―



「すーすー(寝息....)」

「おーい、起きろよ〜」


誰かの声が聞こえる、聞き馴染みのある声。

小学生のときから、聞いているあの声が聞こえる。

そう、たぶん葉葵はおいの起こしてくれている声だと思う。

でも、起きるための気力が何故かないことに気づいた。




「すーすー(寝息......)」

「おい、いつまで寝てんだよ。蘭花らんか......。」


起きれない、なんで起きられない?

まさか、噂に聞く金縛りってやつなのかな?

そんなわけないか、とりあえず葉葵と話そうかな。



「う〜ん......おはよう?」

「いや、聞くなよ。起きろって言ってんのに。」




あんな言い方しなくてもいいのに。

まぁ、でも私は普通の人みたいに普通の時間に学校に行けない。

私は日光に当たると体が焼けるようになって溶けてしまう病気を持つ。

だから、通信制とか全日制とかの学校には行けと言われても行けない。

行くことが出来る学校は、夜間制だけだけど私の学校はすごい人たちばかり。


「眠い......まだ寝たら駄目なの?」

「駄目だよ、寝るな。学校行く時間。」




葉葵も私と同じ夜間制の学園である星流学園スターレイスに通っている。

彼は、機械脳実験体結果ノーマルドルスレジデンスと呼ばれる機械の男の子。

機械脳実験体結果は、機械だけど人間に出来るだけ近づけるための実験だった......。

でも、その実験で作られた男の子が葉葵で機械脳実験体結果0号という別名がある。


「そろそろ......朝も......昼も........夜も..........き........つい.......。」

「そんな風に言っても、せんせ........ゆる......さな..............い。」






せんせ........せんせ.........わたし..........いき.........してる..........?

葉葵と.....いき........してるかな.........どうかな........?

いき.......しにくい........せんせ.......せんせ.......?


「せんせ......せんせ.......せんせ.......葉葵と.......いき......した.....い........。」

「葉葵!蘭花!大丈夫?辛くない?きつくない?しんどく.....ない?」

「せん.........せ...........たたたたたたた........たすけ......ぇぇぇぇぇぇて。」






葉葵......?せんせ........いき..........してる..........わたし........いき......したい.....。

はぁ、はぁ、戻った。変になってたと思う。なんで?わかんないな....。怖い。

怖かった。わたし.....本当は機械毒脳実験後悔結果ノーマポイズレジデンゲント

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