設定資料 その4
灼焔の魔女メイヴィスの過去二十年遍歴と紹介
名前:メイヴィス・ククラハ(メイヴィス・ヴェッティン)
性別:女性
年齢:161歳
ギフト:【
【備考】
通り名は灼焔の魔女。
ギフト【眩蠱惑】の影響で魅力値が高すぎるために、現人神の様に扱われることが多々ある。
しかし全ての人間や生き物から好かれる訳では無く、魔女の存在を嫌悪を越え恐怖に感じる者も少なくは無い。
物語本編より二十年前にサリィズ王国からウリヤ文化圏へ亡命※①した際は、現地のウリヤ人から「エルフもどき」や「長耳人」と疎まれる事が多かった。
当時の所有ギフトは【火焔】と【魅了】であり、髪色は明るい茶色で現在の様に燃える様な赤髪では無かった。
ウリヤ滞在時は、ソフィアの父ライザールから紹介された神聖魔法の師匠の下で修行の日々※②を過ごした。
精霊魔法と神聖魔法の修行を続ける中で、メイヴィスは自らの深層魔力に干渉する術を発見する。
史上前例の無い魔法技術で、深層魔力に干渉し発動させた魔法は桁違いの威力を発揮したため、彼女は他の魔法と差別化を図るべく神霊魔法と命名した。
ヴァース教異端審問官から拘束された際に心臓に魔力の楔を打ち込まれたが、神霊魔法を活用しこれを打ち破る術を編み出した。
魔力の楔を打ち破った後はウリヤ文化圏で旅をし、金が無くなったら各地で魔獣や亜人種狩りをして路銀を稼いでいた。
その後は神霊魔法の修行をしつつ旅を続け、ウリヤ文化圏に亡命してから十年目にササラ文化圏との国境近くの街へたどり着いた。
彼女はその街で奴隷市場※③で売られていたササラ人の娘たちを有り金叩いて買い取り、そのままササラ文化圏へと入った。
ササラ文化圏に入り、奴隷たちを無償で解放するとササラ人の権力者らの計らいで国を挙げての歓待を受け英雄視される。※④
ササラ人たちからは狐火様と崇められ、ウリヤ文化圏にいた頃とは真逆の対応を受けた。
ササラ人は多神教を信仰しており、数多いる神の中にメイヴィスの様な容姿をした女神がいて、それにあやかり狐火様と呼ばれていた。
それで気を良くしたメイヴィスはササラ文化圏内の魔獣、亜人種、山賊、海賊などの討伐に積極的に参加し、各地で多大なる戦果をあげる。
五人組でササラ人との共闘は困難だった為、彼女は単独で行動していた。※⑤
ササラでも民族固有の魔法を体得しようと試みたが、ササラの魔法は精霊種の魔獣を体内に取り込んでいる事を前提に使用する術ばかりなので、習うのであらばまずは精霊種の取り込みを行わなければならず当初は断念した。
※実体を持たない精霊種を魔力化し体内に取り込む
しかしササラで生活を送る中で、どうしても召喚呪法を体得したいという想いが抑えられず、メイヴィスは独学で綜呑呪法を見様見真似で体得してしまった。
彼女が独学で綜呑呪法を体得する姿を見ていた魔紋師が感銘を受け、重罪に処される事を覚悟でメイヴィスに魔紋を施した。
この時の精霊種がサラマンダーであり、これを取り込んだ影響で【魅了】が【眩蠱惑】へ格上げとなった。
ギフトの格上げは体感では分からなかったが、精霊種を取り込む事により自身にどの様な能力変化があったのか天啓の石板で確認したいと思い、ササラで保有している数少ない天啓の石板を探り当て能力値測定をした。
彼女は元々ササラ人からは好意的に受け入れられていたが、【眩蠱惑】を会得した事により更に神格化進んだ。(我儘が通りやすくなった)
ササラの権力者に対しメイヴィスはササラ人に対し精霊魔法と神霊魔法の伝授と天啓の石板に記されるエルフ文字の読解法を教える事を約束し、その見返りに正式な綜呑呪法の伝授とその後の魔紋施術の許可を求め、召喚呪法の伝授も要求した。
召喚呪法も見様見真似でなんとかなりそうだったが、【眩蠱惑】の影響力がどの程度あるのか試したくなり、敢えて権力者に対して無理難題を吹っ掛けてみた。
結果ササラの権力者たちは、メイヴィスを名誉ササラ人と認定し彼女だけ特別にササラ人と同様に綜呑呪法と召喚呪法の伝授と魔紋施術の許可を得た。(ササラ史上初の出来事となり正式な史書にも記された)※⑥
その後のメイヴィスは、与えられた家を拠点に魔法やエルフ語の指導をしつつ召喚呪法の修行をする生活を送る。
精霊種イフリートを綜呑したのは彼女が三度目のドラゴン種討伐に参戦した時だった。
ドラゴン種は常に多くの魔獣を従えて現れ、その中には精霊種が含まれる事が多い。(これをキメラ種とドラゴン種の違いとする考え方もある)
ササラ人は多くの精霊種を綜呑する事が出来るドラゴン種討伐を積極的に行う文化があり、その際には多くの魔紋師を帯同させている
イフリートを魔紋で封印すると、メイヴィスの髪色は属性色を発現し燃える様な赤色へ変化した。
【眩蠱惑】の時と違い、この時は明らかな魔力上昇を体感しドラゴン種討伐戦の後、すぐに天啓の石板で能力値測定を行い【赫灼焔】の会得を確認した。
これがイセリア文化圏サリィズ王国に帰還する半年前にの出来事になる。
神霊魔法の体得と【眩蠱惑】【赫灼焔】を得て、そろそろサリィズ王国へ帰還するかと思い至った。
長命種は他者への思い入れが希薄な傾向がある。
血の繋がりがあっても親近感がなかったり、恨みを抱くべき相手がいても怨嗟を抱かなかったりと。
メイヴィスの場合はエルフの血が濃いとは言え少なからずイセリア人の血も流れているため、振れ幅が大きく感情的には不安定な面があった。
時間経過に無頓着なのも長命種の特徴ととしてあげられる。
まずメイヴィスはササラの権力者から貰った家と土地を、世話になった魔紋師(サラマンダーとイフリートを綜呑した際に魔紋を施した人物)に譲り、自由商業都市ネイドスへ渡航。※⑦
この旅たちの際にササラの人々から魔獣化した蚕・
メイヴィスはネイドスに三ヵ月ほど滞在し、様々な人種の商人らと親交を深めた。
この中で彼女はとあるササラ人の商人と出会い、世界を焼き尽くす杖と称される魔導具購入の打診を受ける。
その金額が一国買い上げれるほどの金額であり、メイヴィスが到底払える金額では無いと告げるとササラ商人は「では、イセリア人の土地でササラ人が自由に商い出来るようにしてください。それが叶えば希望される魔導具を差し上げます」と告げてきた。
この商談の際、メイヴィスはその魔導具を実際に目にはしてない。
そのササラ商人を怪しいと思いつつ、サリィズ王国でササラ人の活動範囲を広げてやりたいとは頭にあったので渡りに船だな、と思っていた。
この商談を成立させたメイヴィスは、すぐに行動を起こしネイドスからサリィズ王国アードモア公爵領内のカードゥ島アルタ港を経てロセス港へ渡り、そこからは陸路でトリス街へ至った。
トリス街で五日ほど滞在※⑧し、その後ザーフィラと共にサイカ宿を経由してコトナ集落へ→→→本編第12章へ。
※①
この亡命はカールロゴス家が主導。
手引きした実働部隊の中にはソフィアの父ライザールの姿もあった。
※②
神聖魔法の修行は格闘術も含まれるため、メイヴィスを以てしても人並みに達するまで五年の年月を要した。
魔力の楔とは止めどなく魔力が体外に流出する呪法で、これを打ち破る方法を編み出したのが神聖魔法の修行を始めてか六年後。
亡命を許してしまったヴァース教からすれば魔力の楔を打ち込んでいるから放っておいてもいずれ死ぬだろうと言う慢心があった。(魔力の楔に対する絶対的な自信もあり)
※③
ウリヤ人は人種的に女性が少ないため、昔から人攫いが多く奴隷市場で売られているのは女性が多い。
ミロク教はミロク教徒の奴隷化を禁止してるため、奴隷として売れるのはイセリア人かササラ人だが、女性の数が圧倒的に多いササラ文化圏でのウリヤ人による人攫いが多発している。
魔紋入りは厄介なので成人前のササラ人女性が狙われやすい。
※④
ササラ文化圏は一国しかなく、
神妖=高位の精霊種でササラのみの概念。
一般的な精霊種は幻妖と呼ばれる。
神皇の神妖は唯一元居た土地から継承し続けている。
神妖の継承者はササラ人に限るが男女は問わず、幼少期より才能に恵まれた者を集め育てその中より選ばれる。
※⑤
ササラ文化圏に冒険者ギルドは無いが、各地に自警団や傭兵団は多くある。
メイヴィスはササラ滞在時は傭兵団に加入しており、報酬の管理などはそこで行っていた。
※⑥
メイヴィスは神妖を継承させろと訴えたが、これは流石に断られた。
※⑦
自由商業都市ネイドスは、この世界で史上初めて生まれた商人が治める都市。
サリィズ王国の南洋に浮かぶ諸島で、様々な人種が自由に商いを行う事が出来る。
すべての商人はいつかネイドスで商売を……と憧れを抱く。
しかし土地が狭い為地価は異常に高騰しており、生半可な商人では物見遊山で訪れることしか出来ない。
国家や王侯貴族の介入を防ぐため、王侯貴族の土地の売買を禁じている。
過去に何度かネイドス制圧を目論んだ王侯貴族はあったが、全てネイドスの海軍に阻まれた。
ネイドス海軍は史上最強の呼び声高く、全世界の海軍を終結させてもネイドス海軍に勝てないと揶揄されるほど。
また、ネイドスの土地を全て買う金があればイセリアの国家を全て買えるという世諺もある。
※⑧
この辺りの詳細は今後本編で。
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