第5話:もはや属性がテンコ盛り過ぎて

しばらくして、魔女様がおれの顔や行為をじいっと見詰めている事に気が付いた。

口づけをする時もパッチリと目を開けていて、気になって仕方ないが、そう言うプレイなんだと自己暗示をかけてコトに臨んだ。

おれのヤルこと為すことに興味津々でいてくれるのは、むしろ興奮の起爆剤になり得るワケだし。

そしてどうやら魔女様は身体の感度がかなり良好みたいで、当初は露骨な反応を抑えている感じがあったが、今はもう吐息や熱っぽい声をだらだらと漏らしてくれている。

しかし行為が進む中で「なんでそんなに熱心に乳房を舐めるんだ?」とか「なぜ、局部の同じところばかり執拗に弄り回すんだ?」と尋ねてくることがあって。

快楽に身を委ねるよりも、知的好奇心が勝ってしまっている様な……エロいことをしてる筈なのに、なんだか結局理科の実験の延長線上にある様な行為になってしまっていた。


「――ああ、やはりお前がしたがっている事は、ササラの女たちと同じだね。確かに気持ちが良いし、身体の力が抜ける瞬間が幾度も訪れる感覚があるよ……」

この発言を機に……少しずつ確実に、魔女様は言葉数が少なくなっていた。

おれにしても技を無限に有してる訳じゃないので、観察すべき行為が無くなってきたからとも言えるのだろうか。

なにはともあれ、漸く理科の実験から抜け出せた様な雰囲気はあった。

言葉なく、吐息と喘ぎと水っぽい音だけが響く大人の魔法の時間が訪れる。

若干掛かり気味だったおれも、ベッドで仰向けで寝ている魔女様の身体の至る所に触れ、その反応を見て愉しめる様になっていた。

魔女様もおれの国のヤリ方を気に入ってくれたのか、自ら口づけを求める様になってくれたし「どれ、私も、お前の魔獣を舐めてやろう……」と、耳元に囁いてきたりしてノリノリになってくれている。

イセリア人で性器を舐めさせるのは貴族が奴隷にやらせる事だと言っていたので、それを考えると随分と歩み寄ってくれている感じがした。

そしていつしか魔女様はおれの顔を跨いで、お互いに舐め合う形となった。

この体勢で魔女様は明らかに何度か果て、おれも魔女様の口内へと濃厚な欲望を吐き出す事に。

まさか異世界に来て美しいエルフ女性の口の中で果てる日が来るとは思いもしなかった。


「――魔女様?そろそろ、魔女様の中に挿れても良いですか?」

体勢を入れ替え語り掛けると、魔女様は口からおれの欲望の成れ果てを吐き出していた。

「お前……何をしても良いとは言ったが、口に出す時は先に言えよ。少し飲み込んでしまったじゃないか。しかし……これはまた凄い量だね。こんなの腹の中に出されたら、普通の女なら一発で孕んじまうよ」

おれ自身は精力が強いとか精力旺盛だと言う自覚は無かったが、どうやら【不朽不滅】のお陰で無尽蔵の精力を誇っているのかもしれない。

性欲は全く減衰しないし、射精後の気怠さも感じず気力体力共に充実していた。

「あの、このまま魔女様の中に挿れて、そのまま中で出すのは、流石に不味いですよね?」

恐らく避妊具なんて無いし、そう言う薬も無いと思う、この世界の文明レベル的に。

「ああ、良いよ別に。私は……って言うか基本的に長命の種族は孕み難いからね。月経もイセリアの若い女は月に一度は来るけど、私の場合は年に一度有るか無いかだし。それよりも問題は、お前の魔獣が私の中に入るのか?ってことだよ」

「ええっと、魔女様は十分に濡れているので、ゆっくりと挿入すれば、なんとかなると思います。今からやってみるので、痛い時は我慢せずに声を掛けて下さい」

「無理やり捩じ込んだら、お前の魔獣を魔法で焼き切ってやるからな」

そう言うと魔女様はおれの下腹辺りに赤色の魔法陣を描いた。

陰毛がチリチリと焼け焦げ、皮膚はヒリヒリと痛い。

おれの場合はその内綺麗に消えてなくなってしまうだろうが、普通の肉体であればタトゥーの様に一生消えない傷になっていただろう。

「ちょ、ちょっと怖い事しないでくださいよ!出来る限り優しくしますから……」

とは言ったものの、ここから先は魔女様の反応を窺いつつ、ゆっくりと挿入具合を深める他無いワケで。

少し馴染ませつつミリミリと挿入を始めると、魔女様は時折おれの顔を睨みつけつつ眉をしかめていたが、文句のひとつも零さずに堪えてくれていた。

その苦悶の表情が甘美に感じるのは、おれが変人だからだろうか?

ドS最強キャラの前振りが効き過ぎて、ランプの灯りの中で痛みと苦しみに耐え身体を弓の様に仰け反らせている魔女様の姿を見ると、征服感で脳みそが焼き切れてしまいそうだった。


幾度が悲痛な呻き声が漏れていたが、魔女様はおれの魔獣を少しずつ受け入れ、その殆ど全てを包み込んでくれた。

「――んっ、はあはあ……これで全部挿ったのか?おい、急に動くなよ?いま動いたら、殺すからな?」

吐息混じりの緊張感溢れる声だ。

動いたら本気で殺しかねない人なので、腰が攣りそうになったが身動きせずにじっと堪える。

「ま、魔女様、大丈夫ですか?痛く無いですか?」

「こんなデカい鉄の塊みたいなのを、腹に挿れられて痛くない訳ないだろう?白夜の時はもっと楽だったのに、まさかこんなガキにここまで苦しめられるとは……鬱陶しいね、本気で殺してやりたい気分だよ」

さり気なく大先生のセンシティブな個人情報が漏洩していたが、ここはスルーしておこう。

「あの、苦しいなら、一度抜いてみますか?」

「待て待て、馬鹿!動いたら殺すって言っただろ?いいから、お前は動くな。抜くんじゃなくて、ほら、もっと身体を密着させて、私を抱き締めておいてくれ。その内、落ち着くと思うから。そしたら、その後はお前の好きにすればいいから――」

気が付くと魔女様の目尻からは涙が零れ落ちていた。

これに本人が気が付いて無さそうだったので、おれはそっと親指の腹で涙を拭った。

そしてご要望通りに、魔女様を抱き締めると彼女の方から唇を重ねて来たので、そのままの体勢で暫く過ごす事になった。

まるで経験の無い女の子と初めての夜を過ごしている様な感覚だ。

魔女様が大先生とした時以来、男性との経験が無いのなら二十年以上もしてない事になるので、この反応は仕方の無いことの様に思えてきた。


それから魔女様の様子を見つつ、少しずつ腰を動かしてみる。

僅かな挙動で細い身体がびくんと跳ねあがるので、おれとしても恐る恐ると言った感じだった。

これが只々痛がられ苦しまれるだけの行為であったら、今宵はもう大人しくしていようと思ったが……おれの魔獣が徐々に馴染んで来たのか、次第に艶やかな息と声が室内に響き始めた。

「ああ、もう……お前のは駄目だね。私の身体じゃ快感が強すぎて記憶が飛んでしまうよ。頭の中が真っ白になってしまう。悪くない気分だし好きにして良いって言ったけどさ、明日もあるから……次、私の中で、お前が果てたら、今日はもう、終わりにする――」


そして、結局この日はこの後どうなったかと言うと、恐らくおれは魔女様の中で盛大に果てて、その後の余韻の中で昏睡魔法を掛けられたのだと思う。

最後の記憶は曖昧だが、魔女様的には想定してたより快感がありすぎて、若干怯み気味におれを魔法で眠らせてしまった様な気もするが……それを詮索するのは無粋なので止めておこう。

翌日朝、このベッドの上で起きた訳だが……不自然な記憶の無さと言うか、大先生に昏睡魔法を掛けられた時と同じ感覚が目覚めの時にあったのだ。

朝起きると、ベッドに寝ていたのはおれ一人で魔女様の姿は無かった。

もしかしたら全部夢だったのかもな……と思わなくも無いが、この部屋で全裸で寝ていたという事は、おれは魔女様の弟子になり一般的な魔法を教わる前に大人の魔法を教わったという事になるのだろう。

魔法使いの師匠と弟子とはそう言う関係性にあるものらしいので、出会ったその日に肉体関係を持つのも別に不思議では無い筈だ。

それよりも気懸りなのは、魔女様と大先生の関係性で。

あの二人の間に子供がいるのだから、婚姻関係にある可能性が高い。

そうなるとおれは、異世界に来て初めて関係を持った相手が熟女人妻赤髪ツンデレ無毛エルフの美魔女と旦那子供が居ぬ間に略奪不倫をした、みたいな感じになってしまう。

もはや属性がテンコ盛り過ぎて訳が分からない。

そもそも年齢が百六十でも種族の特性で二十代前半にしか見えない女性を、熟女と呼んでいいものなのだろうか?


そんな事を考えつつ、のそのそと起き上がり服を着ていると隣りの部屋から魔女様の声が響いてきた。

「――おーい、リョウスケ?そろそろ起きろよ?お前の準備が出来次第出発するぞ!」

それを聞きおれは慌てて服を着て、隣りの部屋へと移った。

そこでは魔女様とザーフィラが席に着き、茶を飲みながら談笑していた。

「すみません、遅くなりました。出発前に……目覚めの水浴びをしてくるので、少々お待ちを。すぐに戻って来るので!」

そう言いおれは家から飛び出し裏手にある井戸へと走った。

空はまだ薄暗いが快晴で、東の方角は明るくなり始めていた。

この世界に来てから二度目の旅立ちの日となる。

今日こそは外の世界へ!と思いを込めて、おれは再び全裸となり冷たい井戸水で目覚めの水浴びを行った。


第15.8章

異世界の愛し方

END




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