第56話四方山話『褒美』

 勇者が召喚される前、大宰相は魔王へ謀略の成果を報告していた。

「うむ。大宰相此度もよくやったのう。何か特別に褒美をやろう」

 満足いく結果に魔王は上機嫌でそう言った。

「魔王様を頂きた──」

「──褒美は何が良い?」

 大宰相のいつもの要求をくい気味に遮る魔王。

「魔王様の処j──」

「──何が欲しいんじゃ?」

 めげない大宰相と額に青筋を浮かばせながらも笑顔を作る魔王。

「魔王様と結婚したいです。本当は政治何ぞから離れて海の見える田舎で落ち着いた──」

「……」

 何かを諦めた魔王と幸せの家族計画を話し続ける大宰相。

「最初は男の子が欲しいですね。でも、あまり子供にばかり──」

 後日、数十名の少年が大宰相邸に届けられた。

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