第47話四方山話『性癖』

 魔王はペンを置き大きく伸びをした。

 机の上にはまだまだ未処理の書類が山積みになっており、やらねば更に積み重なっていくだけと、げんなりとしながら次の紙を手に取り目を通す。

「なんじゃ、早く結婚して後継者を作っておけと提案か……」

 いくら不老の魔王といえど、不測の事態に備えねば王朝の安定、ひいては庇護下にある臣民の為である事は魔王もわかっていた。

 しかし、子作り。

 いや、彼女の結婚には大きな問題があった。

「結婚するにも相手がのぅ……」

「ここに最高物件。貴女のジャアフルがおります」

 呟いた瞬間魔王の真横に大宰相が湧いて出た。

 しかし、魔王はそれに動じずゆっくりとお茶を啜った。

「そういえば、イブラヒムベイから求婚の申し出か来ておったのぅ」

 大宰相は力強く机を叩き魔王へ顔を寄せて訴えた。

「駄目です!!奴はロリコンでハーレムには幼女ばかり!!魔王様が危険です!!!」

 魔王は目と鼻の先で心から叫ぶ大宰相に小さくため息をついた。

「ジャアフル。貴様のハーレムも幼女ばかりだと噂を聞いたぞ?(あと、美少年趣味もあると噂があったな)」

 しかし、大宰相はそんなわけがない。私は潔白だと胸を張ってはっきりと否定した。

「私のハーレムには普通に黒髪ロングの巨乳も多くいます!それに一見幼女や少女みえる娘達は全員成人済みです!ロリババアばかりです!!」

 大宰相の瞳は恥ずべき所など一つもないと見事に澄んでおり、それを聞いた魔王の瞳は急速にくすんでいった。

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