第7話 ドラゴン来襲

「おい、あれ!」

「すげえ、ドラゴンじゃねえか」

「こっちくるぞ、やばい」


 王都は混乱していた。

 ドラゴンが空を飛んでこちらに向かって来る。

 こんなことはここ百年あまり記録にないらしい。


「弓部隊、配置につけ」

「衛兵、城門を固めておけ、市民が混乱したら大変だ」


 その姿は最初遠くに点ほどであったのだけど、どんどん近づいてくる。

 そうしてついにドラゴンが城壁の上空にまで到達した。


「くそっ、どうしたらいいんだ」


 グゥワァアアアアアア。


 人は縦横無尽に逃げ惑うものの、どうしたらいいのか。

 しかし一鳴きしたドラゴンは、そのまま王城をかすめて飛行するとそのまま西へと飛び去って行った。


「た、助かったのか?」

「セーフだよな、セーフ」

「やばかったぜ」


 あんな巨体が空を飛んでいたのだ。

 飛空艇も空を飛ぶが、恐ろしい怪物とは違う。


「きゃっきゃっ」

「ドラゴン、大っきかったね」

「さすがドラゴンだよ、すげえや」


 子供たちは呑気なもので、はしゃいでいたという。

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