第11話

「ふうっ!」


 一息吐いて、俺は44マグナムを肩からぶら下がっているホルスターへ入れると、辺りを見回した。ここにも無いやと、歩き出すと、西側の鉄骨の影からジンが俺の後をついてくる。


「お疲れ様……あ、ねえ! どこ行くの?」

「どこって?? アンダーワールドの入り口を探してるんだ」


 ここ廃棄物処分場の奥に、アンダーワールドがあるとジンが言った。廃棄物処分場は広大だが、中はすっからかんだ。幾つもの錆びた鉄骨が立ち。様々な頑丈な物体でも処理できる機械のなれの果てや、薄汚れた緑の苔が生えていた。


「入り口? さっき言ったでしょ。ここにあるよ。って……」

「こんな人っ子一人来ない場所へか?」

「そうそう」

「……」

「ここに、アンダーワールド。別名ヴァーチャルミレニアムの入り口がある」

「ヴァーチャルミレニアム?」

「そうそう」

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星々で構成されたシンフォニー  主道 学 @etoo

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