第8話
「いけないイルス! 早くそいつを倒して! その男は仲間を呼んでるの!」
ジンが俺が昔買ったボロショットガンを持ち出して、階段から顔をだした。マスターも起きだして、ジンの隣で顔をだしていた。マスターは、俺の方へジェスチャーを送る。
そのジェスチャーは、「即効で倒せ」の意味だった。
「OK! フン!!」
俺は全身の筋肉をギュッと絞った。グギュっと身体中から鈍い音が発せられ、俺はそのままで前方へ一歩飛び出した。相手の腹部に腰を低くして正拳を放つと、店内全体を激しい衝撃音が襲った。
ズドンとした音と共に、派手な服装の男が後方へ吹っ飛んだ。
「またのご来店を、お待ちしております」
俺は派手な服装の男が破壊したドアに向かって、丁寧に頭を下げた。
…………
「ジン。今日からは二階の一つのベッドで寝ろ。俺とマスターは一階のテーブル椅子で寝ている」
「そ、ありがと」
ジンにあてがった部屋は、元々は俺の部屋だった。
昔は、この部屋は「 キアニーナ・ビステッカ」の前の店長さんの部屋だった。前の店長さんは、今は海外へ行っている。
「ふあああっと、俺はもう寝るぞー」
ドアを覗くと、一階へ降りたマスターが、寝袋片手にテーブル椅子に寝っ転がっていた。今日はもう刺客はこないのだろうと思う。明日からは、アンダーワールドへの入り口を探すことにした。ひょっとすると、アンダーワールドへの入り方をジンは知っているのかも知れなかった。
「おやすみ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます