第4話

「……ちょっと、待て! 待ってくれ! 頭が整理できない! あ……飯食うか?」

「え? え? ……今、お腹空いてるけど?」


 俺はここの料理屋「キアニーナ・ビステッカ」のキッチンへ向かった。


「ああ、マスターは今はいないんだ。買い出しに行った」

 

 俺はそう少女へ告げると、早速。料理を作る。ピザをオーブンで焼き。そして、もう一つ。人参、ニンニクなどの野菜にオリーブをかけて、バーニャカウダの出来上がりだ。


 それらを、少女が座ったカウンター席へ皿を置くと、俺は依頼料のことは一時忘れ去る。

 

「う……美味しそう! けど、私の依頼は?」

「うん……今現在受けている依頼の後だな。引き受けたよ」

 

 少女は、カウンター席へと駆けてきて、やっと微笑んだ。


「ありがと。私、仁狐(じんきつね)。ジンって呼んで」

「俺はイルスだ」


 

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