エピローグ
エナとお別れしてからも寒い日が続いた。
彼女はきっと私の気持ちを教えてくれる神様から贈られた雪の妖精だったのだろう。
恐らくあの日私が空にお願いを言ったせいで大変な思いをさせてしまって……。
本当にごめんなさい。
寒いのが苦手だけど今日は何だか寝る前に外の空気を吸いたくなってしまったわ。
私は窓を開けて綺麗な夜空を見上げる。
まさか、彼が私にプレゼントをくれるなんて夢見たいだわ。
外の空気を目一杯吸い込むと鼻に空気の冷たさを感じた。
スカイ様から貰ったクリスマスプレゼント……。
「似合っているよ」だなんてとっても嬉しかった。
お店で私がこのペンダントを一目惚れしたのを貴方は見逃さなかったんだよね?
本当に似合っているかな?
私はそっと一番下の机の引き出しを開け綺麗な長細く白い箱を取り出す。
「私の一番大切な……何よりも大切なペンダント」
箱を静かに開けて中のペンダントを見つめる。
そっと落とさないように傷つかないように丁寧に丁寧にゆっくりと取り出す。
「本当に綺麗……」
紐の先に繋がっている透明に光る石。
月の光に照らされると余計に尊くなってしまう。
お店の人は純粋な炭素から作られる石って言っていたけど炭素とは思えないほど綺麗。
「本当に似合うかな?」
私はペンダントを首にかけて鏡を見る。
そして再び思い出す彼の言葉に自分の顔が赤くなったのが鏡越しで見えた。
「きっと、似合ってるよね?」
いいえ、そんなこと貴方が決めてくれればいいの。
私は貴方からプレゼントだけで胸がいっぱいになっているんだから。
そう、あの時に言った言葉は嘘なんかじゃないんだよ。
本当に貴方以外の人にどう思われても平気なんだよ。
だって他の男には興味がないもの……。
素直じゃない私に貴方はいつも気にかけてくれるよね?
このペンダントの時だってそう……。
キスを誤魔化した時だってそう……。
あの時にいや、これからは私が素直になったら心の距離は近づけるのかな?
だけど……だけどやっぱりまだ恥ずかしいから貴方には素直になれないや。
好きだからこそそうなっちゃんだもの、きっと分かってくれるよね?
だから貴方には直接言ってあげない、気づけてはっきりと分かった私の気持ちを……。
私は月と星が照らす綺麗な空に向かって呟く……。
「
中編:悪名高い王様の側近に転生したので転生先の人々を幸せにすることを誓います! 赤井 音 @akaioto
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