第13話 #Shorts
※本日2話更新(1/2)
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仕事を終え、夕飯を済ませた男はパソコンを起動した。
いつものようにSNSを確認、次いで配信サイトを覗くと…
「珍しいな」
メリーさんのチャンネルで一つの動画がアップされていた。
1分に満たない、所謂ショート動画と呼ばれるものだ。
再生を開始すると、映し出されたのはゲーム画面。
それも、切り貼りしたMAD動画と呼ばれる類のものだった。
と言っても、ゲーム音は全てカットされているようだが。
「あぁ、先週ホラゲやった時の ——」
メリーさんがホラゲ配信をやっていた時のことを思い出しながら、彼はその画面を眺めていた。
「—— これ、オープニングのシーンだっけか。アフレコも案外様になってるじゃないか」
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一人の男がリビングのソファで寛いでいると、テーブルの上でスマホが鳴りだした。
男がスマホを手に取り通話を開始すると ——
「ボク、メリーさん。いま、あなたの家の前に居るの」
そう告げて電話が切れる。
その電話に、首を傾げながらも男は鍵を確認しに玄関へ向かい ——
(Prrrrr Prrrrr...)
今度はリビングで家の電話が鳴り響く。
急いでリビングへと戻り受話器を取ると ——
「ボク、メリーさん。いま、あなたの後ろに居るの」
そう告げて電話が切れた。
男が何かに気付いたように振り返り ―― 身体をビクリとさせたところでブラックアウト。
そして最後にもう一度「ボク、メリーさん」の台詞。
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そして動画はそこで終了。
ホラゲーの雰囲気と彼女の設定が噛みあっていて良い感じだ。実際のところ、配信では男が振り返った次のシーンで悲鳴を上げたのはメリーちゃんだったのだが...。
いつもの可愛らしい感じではなく、頑張って低い声で言っている辺り個人的に好印象である。なんならこの声で耳元で囁いて欲しい。
「そういや、21時からホラゲの続きやるんだっけ」
今朝ペケッターで告知があったな、早めに風呂済ませて待機するか...。
そう考え、男は風呂場へと向かう。
—— 主の居なくなったその部屋に、着信音だけが鳴り響いた。
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※12:20にもう1話(2/2)更新。
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