第11話 お絵かき配信

—— お待たせしたっすね!今日は久々に、雑談交えながらお絵かき配信やるっすよー」


:待ってました!

:きたああああああああ!!

:さぁ、ゲストは誰だ!


「やー、ゲストが誰か、みんなそんなに気になるんです?どうしよっかなー」

「—— ふふ…っ」


:!?

:笑い声聞こえた!

:まさかのオフコラボ?

:もう既にかわいい


 楽しそうな絵茉えまさんを見てうっかり声が漏れてしまった。まぁどうせ出るのだし今更か…そう思い、絵茉さんと顔を見合わせ頷く。


「引っ張っても仕方ないし、そんじゃ出てきてもらいましょうかね。自己紹介よろしくっす!」

「—— みなさん始めまして。ボク、メリーさんです。よろしくお願いします」


:ペロッ、これは清楚!!

:あれ?ティスティスちゃんの凸待ちに来た子じゃね?

:あっ無理…声が可愛すぎる

:ボクっ娘やったぁぁぁぁぁぁ!!!


「おぉ!?知ってる人もいるみたいっすね。そーです、先日ティスティスちゃんの凸待ちにお邪魔したメリーちゃんでーす!それじゃ立ち絵も出しますよー。はい、どーん」


:もちっぺったん先生の絵ほんと好き

:くっそかわいい

:せんせー!せんせーの立ち絵はないんですかー?


「流石に動かすところまでは…ってことで、立ち絵で勘弁してほしいっす」

「あの…このイラスト、ボク知らないんですけど」

「さっき描き上げました、私えらい!私の立ち絵は~…じゃあ今から描きますか!ソフト立ち上げて…こうして ———— 描けたっす!」


:飯テロやめてください!!

:うーんよく焼けて美味しそう

:餅やんけ!!


「はっはー!んじゃ、立ち絵も出来たところで予定通りおえかきクイズやるっすよ。って言っても、まずは慣れるまでフリーモードで。はい、メリーちゃん」

「え、んっ…お姉ちゃん、ありがと...」


(あぶない、いつもの癖で名前呼んじゃうところだった…)


:あぁ^~~

:おねーちゃんて呼ばれたい人生だった

:お姉ちゃん助かる

:てぇてぇ


 渡されたペンタブを受け取り、ペンタブの使い方やおえかきソフトの操作の説明を受ける。


「ひとまず好きに描いて慣れてほしいっす。私が適当にコメントから話題拾って振っていくんで、簡単に答えてくれればおっけーっす」

「わっ、わかりました」

「焦らず、ゆっくりやりましょー。リスナーなんて置物か何かだと思っとけば良いんすよ」


:俺たちは空気だよ

:置物になって二人を見守る…ありだな?

:おまわりさんこいつです


「んー、それじゃ最初はみんな気になってそうなこれにしますか。お二人の関係は?」

「関係…どう言えば良いんでしょうか?」

「とりあえず、ルームシェアみたいなもんすね」


:部屋の壁になって眺めてたい

:じゃあ今後もコラボ配信あるのかな

:そもそもメリーちゃんって配信者なの?


「おっ、良い質問っすね!ちょっと待って…はい!これがメリーちゃんのチャンネルとペケッターのIDっす!!みんな、登録とフォローよろしくー!」

「お姉ちゃん!?ペケッターはまだしも、チャンネルはボク聞いてないんだけど!!?」

「今言いました!」


:よっしゃ任せろ!

:こ れ は ひ ど い

:どっちも登録してきたb


「えぇ...」

「まぁ、配信に関しては気が向いたらって感じで。無理はしなくて良いっす。ただ、やりたくなった時の為に、出来る環境を用意しておきたかった…って感じっすね」

「もう…そんな風に言われたら怒れないじゃないですか...」

「驚かせてごめんね?そーゆーわけなんで、皆も気長に待っててほしいっす」


 コメント欄を見ると、優しい言葉がたくさんあった。

 やはり、絵茉さんに似て優しい人達が集まっているんだろう。


———

————————


「それじゃ、そろそろクイズ始めていきますか」

「はい!…でもこれ、二人で出来るんですか?」

「私達が描くときは順番、回答は一緒にやっていくっす。リスナーは1セットごとに抜けてもらう感じで、ちゃんと譲り合って仲良くやってほしいっす」


:はーい

:メリーちゃんの絵、楽しみダネ

:画伯の素質を感じた

:きっとペンタブに不慣れなだけだから(震え声


—— 雑談中に色々描いていたのだが、それを見ていたリスナーは何かを察してる。


「お姉ちゃん、画伯…ってなんですか?」

「あー、そのコメントは気にしなくて良いっす...」


 絵茉も、そっと視線を逸らした...。


———

————————


:なにこれぇ...

:どこぞの邪神様ですか?

:SAN値直葬

:やっぱり画伯じゃないか...


「…タコです」


———

————————


「…シュモクザメっすか?」

「掃除機じゃないですかね?」


〇正解『掃除機』


:そう言われるとシュモクザメに見えてきた

:その発想はなかったw

:メリーちゃんかしこい


———

————————


:たぬき?

:狸寝入りじゃね、寝てるし

:たぬき助かる、丁度切らしてた


「やっぱり上手いなぁ」

「ふふん、伊達にイラストレーターやってないっす」


———

————————


「いやー、中々個性的な絵が多かったっすねぇ」

「とりあえず、画伯の意味は何となく分かりました...」

「言ってるリスナーも大概っすよ、へーきへーき」


:正論止めてください!

:おっ、やんのか?やるんなら逃げるぞ??

:個性的(意味深


「よし、そんじゃ今日はこの辺で終わりっすよ。メリーちゃんも、急だったのに出てくれてありがとね」

「いえ…ボクも楽しかったです。ただ、次はもっと早く言ってもらえると...」

「お!次ってことは、また呼んでも良いって事っすね!」

「えっと、その…はい...。お姉ちゃんさえ迷惑でなければ...」

「迷惑なわけないじゃないっすか~。それじゃ、また一緒にやりましょうね。みんなも、今日は見てくれてありがとでしたー!」

「ありがとうございましたっ!」


:てぇてぇ...

:二人ともお疲れさまー

:お疲れさまでした

:メリーちゃんの配信も期待してる!


——— この配信は終了しました

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