第3章70話:素材の受け取り
休日を終えた、次の日の朝。
この日、タイラントワーウルフとグランウルフロードが領主より返却されることとなっていた。
解体については冒険者ギルドで行ってくれるとのことで……。
南西班が、冒険者ギルド前に集合していた。
バルードが言う。
「おう。数日ぶりだな」
サラ、オーファンも挨拶してきた。
さらにクレディア、ヒューリス、ヴァルガンたちがやってくる。
男性3人組も。
最後にセレーネが登場した。
「遅くなったわね」
開口一番、そう言ってから、セレーネはアリスティに視線を移した。
「決めたとおり、2対8の分配だからね」
「わかってます」
「そ。じゃあ入りましょうか」
こうしてアリスティたちは冒険者ギルドに足を踏み入れた。
冒険者ギルドには戦士や魔法使いたちが、まばらにたむろしていた。
掲示板の依頼とにらめっこをしている人たちもいる。
アリスティたちはぞろぞろとカウンターまで歩いていった。
セレーネが受付嬢に言った。
「グランウルフ掃討作戦の南西班よ。素材を受け取りに来たわ」
「はい……少々お待ちください!」
受付嬢が奥へと消えていった。
待機する。
すると、ひそひそと噂をする冒険者たちの声が聞こえてきた。
「おい、あいつら……」
「ああ。タイラントワーウルフを倒したっていう」
「グランウルフロードもたくさん倒したらしいぜ」
周囲の視線が集まってきた。
こう、いろんな人に見られていると思うと、むずがゆくなるね。
しばらく待っていると、一人の大柄な男性が現れた。
男はギルド長だと名乗った。
「このたびはご苦労さん。解体処理は終わってるから、裏庭に来てくれ」
ギルド長に案内され、冒険者ギルドの裏庭へと移動する。
そこに
「こっちがタイラントワーウルフ、こっちがグランウルフロード4体ぶんの素材だ」
ギルド長がそう説明する。
アリスティたちは、どの部位を貰うかを相談した。
ちなみにアリスティはグランウルフロードについては肉だけ。
タイラントワーウルフについては、セレーネが欲しいと言った部位以外を、全て貰うことになった。
ややあって、他の人たちも、グランウルフロードの素材の分配が済んだようだ。
ギルド長が言ってくる。
「ところで、セレーネ・リーンブライト。あんたは今回のことで、Bランクへの昇級資格を得た」
おお、と感嘆の声がみんなから漏れた。
「Bランクへ上がりたいなら、
「それは嬉しいけど……アリスティは?」
「アリスティも、もちろん昇級だ」
おお。
昇級はありがたい。
いろんな魔物を狩れるようになるからね。
さて、素材の分配が終わったので、アリスティたちはホクホク顔で冒険者ギルドをあとにした。
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