第3章68話:報告
さて、
2日かけて街に帰ってきた私たちは、一度そこで解散する。
アリスティとクレディアは二人で
グランウルフロードが4体もいたこと。
しかもタイラントワーウルフまでいたことに、フリーナは
死体は所持していたので、その場で出した。
「これは……たしかにタイラントワーウルフですね」
フリーナは驚きの色を浮かべながら、続けた。
「タイラントワーウルフはウルフの
「極めて
と、クレディアが報告する。
「アリスティさんが?」
「ああ……私もあの戦いは驚いたな。魔剣のセレーネも戦っていたが、ほとんどアリスティの
クレディアはフリーナに戦いについて説明した。
「そうでしたか。これはアリスティさんに
と、フリーナが聞いてくる。
―――特別報酬。
アリスティは、考える。
そして答えた。
「えっと……報酬は、モノじゃなくても構わないですか?」
「ええ。内容によりますが……何か欲しいものがおありなんですね」
「はい。実は――――」
と、アリスティは説明する。
自分が絶海の孤島を出身としていること。
そこにいる母が、
島から出られないので、治療ができないこと。
なんとか海を渡った自分が、救出のための船を借りるため、あくせく資金を集めているということ。
「なので……特別報酬をいただけるのでしたら、母を救っていただきたいのです」
と、アリスティは締めくくった。
「なるほど、大変な思いをされて、ここまでやってきたんですね」
と、フリーナは納得する。
続けて、言った。
「つまり、アリスティさんの要求は、船によってお母様の救出をすること、そして、魔力病の治療をすること……ということで、お間違いないですか?」
「はい。その通りです」
と肯定した。
フリーナが微笑み、告げる。
「わかりました。ならば
「……!! ほんとですか!?」
「街を救ってくれたこと、タイラントワーウルフを討伐してくれたことなど、アリスティさんには多大な恩義がありますからね。これぐらいはお安い御用です」
「ありがとうございます……っ!!」
と、アリスティは深く頭を下げた。
ようやく、母を救えるのだ。
ユーナを、島から解放してあげられるのだ。
アリスティは、歓喜の心に満ちあふれた。
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