第3章49話:合流
バルードは言った。
「でも、そんなに強いなら、一度見てみたいもんだな。なんなら今から手合わせしてみるか?」
バルードがニッと笑う。
アリスティは拒否した。
「手合わせなんてしませんよ。それに、こんなに暗い場所では無理でしょう」
「はは、まあそれもそうか」
バルードが笑ってから肉をかっ食らう。
こうして食事を終えたアリスティたちは、明日のために早めに休むことになった。
テントを張って、野宿。
フィールドでの野宿では、交代で夜の見張りをするならいだ。
アリスティは夜中に1度だけ起こされ、1時間ほど見張りをして。
それ以降はずっとテントの中で就寝。
やがて。
早朝。
起床する。
すぐにこしらえた朝食を済ませ、テントを片付けた。
「では、いくぞ」
とクレディアが号令をかける。
かくして出発。
森を進み始める。
魔物を退治しながら、どんどん森を攻略する。
やがて、太陽が真上に差しかかるあたりで、森を抜けた。
視界に、草原が開ける。
草原は平坦ではなく、段々状にうねっている。
ところどころに丘があり、樹木が生えていたり、岩石が転がっていたりした。
魔物も結構いるようだった。
クレディアが言った。
「見晴らしが良いぶん、魔物とのエンカウントが増える。囲まれないように気をつけよう」
「はーい!」
ヒューリスが快活に返事をする。
と、そこで、クレディアの配下の兵士が言った。
「……グラントールの森」
ヒゲをたくわえた無口な大柄の兵士。
ザノハを思わせるゴツい体格であり、首から下は大きな鎧に身を包んでいる。
名前はヴァルガンと言ったはずだ。
ヴァルガンは、前方の森をじっと見据える。
草原の向こう側に横たわる森林地帯。
あれが目的地である、グラントールの森か。
「さあ、進むぞ」
クレディアが言う。
アリスティたちはうなずいて、草原のうえを歩き始めた。
魔物を蹴散らしながら、進行。
夕方になるころには【グラントールの森】の入り口に辿り着く。
少し森に入ったところ……
小さな広場のような場所があったので、ここで野営をすることに。
焚き火を囲んでいると、ふいに足音がした。
「お……クレディアさんご一行じゃねえか?」
現れたのは、初日にアリスティたちとは別行動を取った班員たちだった。
どうやら男だけの3人組みパーティーのようだ。
男性3人組、と呼ぶことにしよう。
髪がそれぞれ長髪、短髪、角刈りなので、違いがわかりやすい。
角刈りの男が言った。
「結局合流しちゃったわけか。じゃあ、ここからは一緒に行動させてもらおうぜ」
短髪の青年が続いて言う。
「というわけで、お邪魔していいかな?」
なかなか勝手な言い分だと思ったが、まあ拒否することでもないだろう。
クレディアが許可を出したことで、その3人が野営に加わった。
これで野営メンバーは10人になった。
なかなかの大所帯だ。
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