第2章31話:パーティーの誘い
翌日。
アリスティは冒険者ギルドを訪れていた。
掲示板へと向かう。
Dランクに上がったことで、受けられる依頼の幅が広がった。
だから、もう少し上の依頼を受けてもいいかと思いながら、アリスティは掲示板を眺める。
そのときだった。
「ねえ、新人さん」
「はい?」
突如、横合いから声をかけられて振り向くと、二人の女性が立っていた。
「いきなり声をかけてごめんね。あたしはレベッカ。見ての通り冒険者よ」
レベッカと名乗った女性は、いかにも
ショートヘアの茶髪。
くりくりとした目つき。
明るく陽気そうな微笑みを浮かべている。
細い身体つきに、鉄の胸当てと肩当てを身につけていた。
腰には反りのついた曲剣。
剣士であることがわかる。
「私はミレーゼだ。よろしく頼む」
こちらは長身の女性。
アリスティを基準にしても頭ひとつぶん大きい。
髪は緑のセミロング。
きりりとした目つき。
真面目そうな雰囲気をかもしていた。
弓使いなのだろう、その背中には弓と矢筒を背負っている。
「えっと、アリスティです。よろしくお願い、します。それで……ご用件は?」
アリスティが尋ねると、レベッカが答えた。
「よかったら一緒に冒険しないかと思って。ほらあなた、昨日Dランクになってたでしょ? あたしたちもDランクなんだよね」
つまりパーティーのお誘いということか。
うーん、どうしよう?
まあ、パーティーでの活動も、経験しておいて損はないかな?
アリスティは答えた。
「誘って、くれる、ありがとうございます。ただ、私、外国から来た、です。言葉がちょっと不自由」
「なるほど? まあいいわよね、ミレーゼ?」
「ああ。問題ないだろう」
と、レベッカとミレーゼが受け入れてくれる。
「それで……どの依頼を受けます、ですか?」
アリスティの質問にミレーゼが答える。
「荒野のウルフを倒しにいこうと思っていた。異論がなければその依頼にしようと思うが、どうだろう?」
「構いません、です、賛成」
異論はないので、そう答える。
「じゃあ依頼を申請してくるよ。ちょっと待っててね」
レベッカが依頼書を持って受付に向かい、依頼を受理してくれた。
かくして私たち三人は冒険者ギルドをあとにする。
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