第2章28話:冒険者ギルド

宿をあとにした後。


その足で、アリスティたちは都市の冒険者ギルドに向かった。


冒険者ギルドは、中央広場に面した位置にある。


中に入ると、まばらに冒険者たちの姿があった。


戦士。


魔法使い。


弓使い。


盾使い。


……などなど、さまざまな人たちの姿がある。


視界の正面にカウンター、


視界の右側に食事や歓談ができるテーブルと椅子。


視界の左側に掲示板があった。


アリスティは、ベルニーとともに、カウンターに向かった。


「冒険者ギルドへようこそ。私は、受付嬢のノアと申します。あら、ベルニーさん」


受付嬢――――ノアが言ってくる。


ベルニーが言った。


「久しぶり。このの、冒険者登録をしたくて来たんだ。付き添いでね。国外から来た娘で、こちらの言語にうといから」


「なるほど……了解しました、冒険者登録ですね。文字の読み書きは難しいでしょうか?」


「無理だね」


と、ベルニーが代わりに答えた。


「かしこまりました。では、これから質問をいたしますので、口頭でお答えください。私が、登録情報の代筆を務めさせていただきます」


と、ノアが言った。


どうやら、文字が書けないアリスティの代わりに、登録用紙に必要事項を書いてくれるらしい。


アリスティは言った。


「ありがとうございます」


「いえいえ。では、まずはお名前から――――」


ノアが質問をしてくるので、アリスティは答えていく。


質問内容がわかりにくいときは、ベルニーを介して伝えてもらった。


これにより、無事に登録用紙を埋めることができた。


最後にアリスティが登録手数料を支払う。


ノアが言った。


「ありがとうございました。では、こちらの登録情報をもとに、冒険者カードをお作り致します。少々お待ちください」


ノアがカウンターの奥に消えていく。


数分待つ。


ややあってから、ノアが戻ってきた。


「こちらが、冒険者カードでございます。お受け取りください」


「はい」


それから、依頼の受け方、冒険者ランクについてなどの説明を受ける。


わかりにくい部分は、ベルニーが噛み砕いて教えてくれたので、全て理解できた。


「では、依頼を受けたいときは、あちらの掲示板から依頼書をはがして、カウンターまでお越しください。依頼書が読めないときは、口頭で内容を読み上げるサービスもおこなっておりますので」


「わかりました」


全ての説明が終わった。


ベルニーが言う。


「それじゃあ、あたしはちょっと用事があるから、これで失礼するね」


「はい。登録、手伝いしてくれた。ありがとうございました」


「いえいえ~」


ベルニーが手を振って、冒険者ギルドを出て行った。


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