第36話 〜元・転生者〜

「....もしや、大里 蓮汰おおざとれんた先輩っ!?」


窓を割って入ってきたのは、僕の信頼できる先輩....そして、どうにかして現世に戻ってきたのレンタ先輩だった。それにしても...殺気よりも恐怖心がにじみ出ている。その理由として考えられるのは....


「先輩。もしかして....貴方も賞金首に?」


「っ....その通りだよ、後輩。すまねえな、最初に雑魚って言っちまって。」


そういえば、久しぶりにあった時(今さっき)の第一声は「雑魚」だったような。

まあ、雑魚って言ってくれたおかげで敵ではないとわかったけどね。でも、それを気にするよりも四人がフリーズしていることだった。そうして、ようやく四人の開きっぱの口から言葉が出る。


「「「「怖えぇぇぇぇ!?」」」」


「....お前ら、後輩の友達か。すまねえが、俺を匿わせてくれねえか?」


「「「「知らない人を匿うものかぁ!?」」」」


それはそうだ。見ず知らずの人が窓を割って入ってきて、僕の先輩を名乗り匿わせてもらおうとする....それに関しては本当にその通り。皆の反応が的確であった。


「え、なんでだよ。こっちだってお前らと同じ賞金首だぜ?しかも、後輩くんの先輩だ....お願いだから匿わせてくれよ。」


「....うーん、実際を言えば匿わせてあげたいですけれど....家の敷地がもう少ないっていうか...」


「それなら、柏原さまに頼んでみてはいかがでしょうか?」


アリスから出てきた案は正解に近かった。それでも、先輩は強くてもあいつらの能力で死んでしまう可能性がある。それならば...この家に匿わせるのが一番良かった。


「...さんの言う通りだな。確かに、後輩の親戚に家を頼めばいけるか。」

チラッ....


「なぜ...私の名前を...!?」

ボソッ....


「あ、うん。もう確認は取れたよ。確認の結果、大丈夫だって先輩。」


「お、ありがとうな、後輩くんよ。それじゃあ、俺はそろそろ....」


....あ、そうだ。先輩も賞金首なのであれば情報屋として仕事をしてくれないか聞いてみるか....


「先輩っ!」


「ん?どうしたんだ?....って、そういうことかw俺は良いぞ?情報屋として仕事させてもらうよ。」


「おっと...裕介の先輩、心読めるみたいだな。こりゃ戦闘でも使えるな。」


「あぁ...心理解読に関しては俺の特技だよ。能力としては潜入スパイが使えるんだよ。」


なるほどな....それは情報屋としては強い。それに....先輩なら任せられる。


「では...よろしくお願いします!」


「おうっ!後輩くんのために頑張るな!」

                     第36話 END.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る