第26話 〜奇襲攻撃〜

パリンッ...


「全員手を上げろ!この中に石神裕介はいるか!」


この一言により、狙いは僕だと分かった。でも、皆は僕を裏切らない様子。誰も僕のことを指ささないし、誰も僕のことを見ず謎の人物たちを睨み続ける。その時だった。


「...俺が石神裕介だ!掛かってこい大人ども....!俺が相手だ!」


門松君が囮になっていた。これだから育ちがいい子は...でも、ナイス囮。そうして僕は無詠唱で〈隠密〉を唱え、透明になる。


「...ん!?一人足りないぞ!どこへ逃げた!」


「....!」


そうして僕は謎の人物たちのそばへ駆け寄り....一人は首を折り、もう一人は四肢を折る。銃で撃つことも考えたが、事情聴取のためにも一人は残しておきたいのでこうする。


「アガッ....!」


「ギッ...ガッ...ゴエッ...!」


「え、何々?急に倒れ始めたよ!?」


「どうしたんだ...!?二人共!もしや....神の力!?」


よし。取り敢えずは神のせいに出来た。これが一番好都合ってところなのだろうか。そして、僕はリボンと悠斗に攻撃の合図を送る。

コンコンコンッ...


「....!」

カチャッ.... チャキッ....


そうして二人は敵に向かって攻撃を始める.....その時だった。


「よ〜し!生徒の皆、実践だ!訓練でやってきたことを存分に活かして〜!」


「「「「「「「はーい!!」」」」」」

ボウッ...! バチッ.... ビュンッ!


「「「ギャァァァ!」」」


そうして、生徒の皆も攻撃を始める。一人ひとりの攻撃力はまだ弱いものの、集まれば攻撃力は何倍にも膨れ上がる。そうして、攻撃をしまくるもののリーダーには一切効いていない様子だった。


「...こんな弱い攻撃、結界でガードできるんだよなぁ?」


「...結界持ちか。【結界解除】。」


「...なっ!?」


どこからともなく、そんな声が聞こえてくるとリーダーの結界が解除される。その一瞬を僕は見逃さないようにして、懐に潜り込む。


「これで終わりだ。小埜寺 林正おのでらりんしょう。」


「....クソが。」

ザシュッ....


そうして、奇襲攻撃は終わった。でも、謎の声は姿を未だに隠している。そうして、結界を解除したであろう人が現れる。


「やぁ...裕介くん。」


「.....白雪天音さんでしたか。結界を解除した者は、それでは殺させてもらいます。」


「...それは、こちらのセリフだよ。裕介くん。」

                      第26話 END.


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