しんじる
「いやまじで、、信じます。すみせんでした。信じさせてくださいマジで」
うんこれ、僕が常日頃妄想してるねこねこにゃんにゃんかわかわ氷華さんやんけ。僕は妄想が現実になった事と、卑劣な妄想が推しにバレていたという現実の板挟みに合い、可愛いからなんでもいいや。そう結論づけた。うん、これは心読めてる。確実に、、、、、、、、。あぁ、誰か僕を殺してくれ。
可愛い 愛してる 好き 可愛い 可愛い 好き
変な方向に流されそうになりながらも、心が読めているという事実を認めることしか出来なかった。
ああ、僕の妄想はバレていんだ。頬にツーっと涙が流れる。ああ、嫌われるこれ。心が読めてるってことは僕のラブコールもバレてたわけで、冷静に考えて好きでもない人から好きーとか可愛いとか言われて嬉しいわけないもんな、普通に。
すると目の前にひらりとハンカチが落ちてきた。条件反射で慌てて拾おうとすると、これまたハンカチを拾おうとしていた彼女と手が触れ合ってしまった
「んうっ?!」
すると彼女は急に顔を真っ赤に染め、足をガクガクと震わせて、その場にペタンと座ってしまった。
えっと、どういうこと。
泣いてたから、ハンカチをくれようとしてたのか。それで、えっと。えっと。絶望感に酔いしれる僕は何かを深く考える余裕はなかった。ほんとに、もう、何も考えたくないよ。
「あの、本当に。疑ったこととか下心の件とか、本気で反省してます。ハンカチ、お気遣いありがとうございます」
僕は涙を隠しながら、そこから走る去ることしか出来なかった。やべえ、好きピに卑劣な妄想バレた、しにてぇ。
確実に嫌われてる。終わった。マジでしんどい。これで嫌われてない理由ない。詰んだって。
涙で枕を濡らしているその夜、スマートフォンから一通のメッセージが来た。
『もう、えっちな妄想しないでね』
?!メッセージが来た!!僕は布団の中でじたばたと暴れて、部屋にハウスダストを撒き散らす。
折れた心が元に戻るような感覚を覚えた。嫌われていないのか、?そんな期待が胸に宿ってしまう。嫌いな奴にメッセージ送るか、?否。
『はい、絶対にしません』
僕は迷いなくこのメッセージを打ち込んだ。確実に守る。
これ以上彼女に嫌われないためにも、絶対にしない。僕の決意は堅い。
////
一日後
「ねぇ、なんでよんだか、わかる?」
「すみませんすみませんすみませんすみませんすみません」
うん!無理!!無理だった!!!無理!!
「わかってた。抑えられないって」
「すみません…抑えようと思ってるんですけど、好きって気持ちが溢れちゃって!!いやまじでごめんなさいごめんなさい」
「わたしに考えがある」
そういった彼女は僕に右手を差し出してきた。…どういうことだろう。僕にチャンスをくれるのだろうか。舐めればいい、?
「えっと....?」
「さわって」
どうやら彼女は手を握ることをご所望らしい。どういうことなんだ。好きになっちゃう。ほんとに。好き。
僕は恐る恐る手を近づけていって、彼女の手を優しくギュッと握った。すると、彼女が赤くなって、表情が若干崩れる。
「…んぅ、ぅ…ぁ」
え、え?あぁ?え?なん、これ、え?何かいけないことしちゃってる気分なんですが。
彼女の無表情はとろんとした目によって崩され、なにかに耐えるように悩ましげな声があがっている。
「ん、もういい」
「あ、あ、えと、すみません」
僕は謎の罪悪感と背徳感から逃げるように、手をバッと勢いよく離した。
「声、きこえない」
「え?」
「心の声がきこえない」
「え、なんで」
僕が今やった事と言えば彼女の手を握っただけ。特段何もしていない。気になることとしては、彼女が何かを耐えている様子だったこと。
「直接触れたら、すきってきもちが沢山流れてくる。そしたら、君の気持ちが大きすぎるから、わたしの能力がバグる」
「えっと、?」
「昨日、ハンカチを拾う時に手が触れたでしょ?その時、同じことが起こった。その後、30分くらい、声がきこえなかった。」
「つまり、?」
「多分だけど、君がドキドキするほど、私にすきって気持ちが流れてきて、その分だけ声が聞こえなくなる」
僕はなんのことかよくわからずに、ぽかんと口を開けている。
「だから、私でたくさんドキドキしてほしい」
えっと、、彼女は何を言ってるんだろう。彼女が僕の声を聞こえなくなるためには僕と触れ合う必要があって、その時に好きって気持ち強めるためにドキドキさせる、、と。ええ?何そのご都合主義?なんというか、自作自演というかマッチポンプというか。マジで迷惑かけて申し訳ないっす。いや、ぶっちゃけ嬉しいっす。
んーーー。
あーでも。
んー??
んーーー。
「あーーーーーーうん。好きです。結婚してください」
「それはむりかも。でも、これからよろしくね」
断るの早!!
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