第六十三話:『朝廷』と『武士』と外れた世界~検証⑱~
※※ 63 ※※
「『
さらに『
俺が
その苦渋の沈黙を保ったまま俺は僅かに得た時間を使い、そうして考えを整理してから、
「源
おもむろに口を開くと、灼が言葉を切った。
「源
ところが
と、そういう言う灼の小さな頭に優しく手のひらを
「
ちなみに
「
灼は少し照れくさそうに俺の手を
「宮中で毎年正月に行われる
まあ
「だから
言って、反対側から少し
「源氏と言えば、現代では源
一時期において藤原氏よりも権勢を誇った
灼は見当違いでないことを顔色に示し言う。
「将門を陥れた源
思考するときの、いつも
「菅原道真の
と、断固たる一言を堂々と気合いを入れて言った。しかし俺は苦笑を
「すでに
「それが、太政官に告訴を持ち込んだという藤原
灼の鋭い声を聞いて会長が突如、
「藤原
――『
『新古今集』恋・一に収めれた歌で『題しらず』とあるけど、家集の『
二人は若い頃から愛し合っていたが、
意味は『難波潟に
灼は、今度こそ確信した声を
「なるほど。『
会長の微妙な顔の変化を見て取った灼は大きな栗色の瞳を細めて続ける。
「会長も平良の『
「そもそも短歌は格式と教養とが融合した
「そもそも……何? 『
急に灼から友好的な成分が消え、大きな瞳に殺気が
「はいッ! そこまで。谷、しっかり二人の面倒を見てよね」
「お……、おう」
やや力ない
「物事には色んな見方がある。テニスの試合だって、後から『あーすれば』とか『こーしとけば』なんか沢山出てくる。短歌はよく分かんないけど、歴史だって同じなんでしょ?」
しかし、その
ちなみに新庄は、俺と灼が会長と交わした『
「ま、まあ……今や同じ生徒会なんだし。最初は見返してやるって
「あ、ああ……あんたがそう言うなら別にいいけど」
顔を赤くして必死の
「会長もそう思うだろ?」
「そうね。当初の考えより大幅にズレたけど、今さらあなたたちを
『部室整理令』に非協力的な姿勢を
高橋や藤川に対し、共に
だから本当に今さらながら疑われたことが心外だった。そして今さらながら……自分の変化に気が付いた。
表は軽く奥は重く。会長は
「双月さん。もう一度言うけど『
赤銅色のセミロングが深々と頭を下げる。灼が答える前に、
「谷君の『
灼の大きな瞳から殺気は消えたが、幼い顔に
(やだな)
また新しい女子が平良の
「平良……?」
あるいは俺が拒絶するのではという期待を視線に込めて
「いいんじゃないか?」
「……そ、そうね」
俺の
「あたしも何が出来るかわかんないけど、谷に協力するわッ」
明るい
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