第五十五話:『異心』の行方
※※ 55 ※※
県立
そんな
「やべェーよッ! 今回、日本史の範囲が
「わたしなんか、中間テストで英語赤点だったのに……今回もキビシイかも」
俺は、午前中に発表されたテスト範囲の件で
「会長ッ! あんたは生徒の総意を無視してるということを分かってるのかッ」
「クックック。今や部室棟は無法地帯だわ。それを望むのが総意というなら、生徒会の存在は全くの無意味ということかしら?」
「……
「高橋。あんたのいう実績って何かしら? 運動部も文化部も、部室を単なるたまり場にしてることが実績? 私の課題をクリアできないほどの実績ならば、部活動とは
「その考えが反発を
室内で
「谷君」
会長は思いを切って、冷たい
「谷……お前」
高橋は、持て余す
「……行こうぜ」
高橋は、未だ表情に
放課後、校舎全体が
「さっきは感謝するわ、谷君」
「さっき? ああ、単に俺が勝手に入って、話の腰を折っただけだ。礼を言われることじゃない」
俺は、なぜ感謝されたのか分からず、キョトンとなったが、高橋と藤川の
「
「谷君、君ねェ……。私だって女子だもの、男子二人に言い
失礼千万極まりない俺の感想に会長は
「……まあ、いいわ。それにしても高橋が言ってた
いまいち実感できていない敗北感を語る会長の微妙な横顔を
(そういえば最近、部長にも四字熟語にも会ってないな)
大規模商業施設であるアトリウムモールで出会い、
「『
会長は、俺の言葉から薄ぼんやりと、その意味を
「
そして核心を得ようと必死に考える仕草を見せた。やがて思い至ったのか「クックック」と笑い出す。
「『部室整理令』が
つまり高橋と藤川は
会長の、
(裏切者を叫んだ
内心を隠す表情のまま、俺は数秒ほど異なる
「『
ぞんざいに
「送ってくれた『
「ま、まあ……灼を退学にしたくないし、俺もだし、な」
短く不機嫌に返し無表情で答えた。会長は真面目と評した俺の、奇をてらわない回答から
「谷君と双月さんは入り込む
「なッ!?」
抜け抜けと言う会長の言葉に俺は
(普通に美人だと思うがな)
性格の
「以前、
「かへり
俺の言葉に歌を重ねて、
(――いまはもう帰ってはこない昔の事を、
「……式子内親王だな」
俺は含みを持たせて
「懐かしい写真が『夢』のように昔のことを思い
会長は
その声が歌と
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