第五十三話:結局『ダレトク』だったんだ?~検証⑭~
※※ 53 ※※
ぐつぐつと
「オリーブの実は少し指で
と、任務を完遂した
「『部室整理令』や『
灼は
「……そうね。あんた、パンにする? お米?」
その灼が、キッチン越しに別の案件を持ち掛けてくる。
「せっかくだから、パンにするかな」
俺は軽く答えて、二人分まとめて
「ありがとう」
言いつつ、灼がキッチンから鍋を持って出てきた。
俺は自分の
「いただきますッ」
初めて見る、
「!」
言葉に出来ない
「
幸せを一杯、胸に詰めて
食後の満腹感、という安らぎを
「パパがお土産でセイロンの茶葉を買ってきたの。英国 フォートナム&メイソンのブロークン・オレンジペコよ」
灼の横で
「あたしもだけど、あんたって紅茶をよく飲むじゃない? 気に入ると思うわ」
「俺の場合は、コーヒーが飲めないだけだ。ちなみに『お
俺はお茶碗を持って、
「へえ……。お正月でお着物を着た時とか、どこかで機会があったらお茶を立ててあげるわ」
妙に勝ち誇ったような顔で自慢する灼。再び耐熱ポットにお湯が注がれ、高価な茶葉が見事にジャンピングする様子を
「源
そして、そのままの勢いで源
灼は、紅茶をカップに注ぎながら言う。
「『
「俺もそう思う。『
また、後に引用された『
いづれも平
俺は、カップを手に取り、
「平
かつて
「つまり、平
でも、なぜ
俺はカップを置き、にやりと意地悪な笑みを浮かべた。
「それについては、後で詳しく話す。『菅原家』が関わるからな」
灼は大きな嘆息を一つ。
「わかったわ、まずは平氏の内乱ね。とにかく
「そうだな。この頃になると国郡という行政単位は解体され、
灼が俺のカップに紅茶を
「
だが
「へえ、誰よ」
笑って言い、答えを待っている、という仕草で紅茶に口をつける灼。
「
紅茶を
「
聞いた灼は、少し失笑気味に言う。
「最終的に
「ああ……。単なる平氏の私闘で終わるはずだったのが、万事休すの
灼は飲み終えたカップを置いて両手を伸ばし、ソファーに深く腰かけ直す。
「『鉄』を奪い合って平氏同士で共倒れ。最後まで頑張った
灼の
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