第五十一話:止まらない『平氏』~検証⑫~
※※ 51 ※※
重たい雲はその
「
会長の
「そうだな。俺たちでも、なかなか太刀打ち出来ないんだ。
俺は、ぶっきらぼうに答えつつ遅れず付いて行く。時間帯によるのか堤防に
「すごぉーく、
思わず両手を広げたくなるほどの大きな空があった。深く
「平良ァー! 向こう側の小山、あれって
「ああ、ちなみに
「へぇー、今度二人で行ってみようよ」
無邪気に
(ああ、本当に綺麗だ)
と、思う。
「当時の
俺は穏やかな気持ちで灼の
「
特に
「それらを運搬する水運・陸運を支配してたのが『平氏』であり『平
俺の言葉に、押しの効いた
「そうね。
「俺も聞いたことがあるが、場所は
灼は真剣そのもの、それから大いに満足顔で
「千葉県
また近辺の花見川流域の『
「弥生中期で鉄を生産してたってことは、日本最古という可能性もありか?」
俺の疑問に、にこやかに答える灼。
「
西日本で確実と思われる製鉄遺跡は六世紀前
とは言え、広島県
灼は、投げ
その木板を
「と、……とにかく、昭和五十三年に茨城県
「そうだな。もっとも坂東が乱れていく原因を作るのも『平氏』だが……」
俺は灼の隣に座り大きく腕を伸ばして一息つき、背もたれに身体を
「
やがて
広大な
途端に灼が驚きを見せたが、何かを納得した顔で何度も頷き、
「その温度差が
と、俺を見る。軽く
「まあ、これは俺の私見だ。長兄・
なぜ兄弟の不仲を生むかというと、源
灼が険悪この上ない顔で
「
俺は再び空に視線を泳がせ、言葉を
「うーん……まあ、取り敢えず父親の
静かで穏やかな風景が夕に沈む。橋を越えた
「こんな眺めもあるのね……」
灼は立ち上がり、ふと、心の
「
先の
「
それを
「うん」
同じ求め。
灼は目を細め、そして俺は満足した。
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