第五十話:『通説』と『異説』
※※ 50 ※※
これは俺の私見だが、歴史にも『作用反作用の法則』に
この国では例えば、672年の
様々な当事者の思惑や利益が
「別の場所ってどこだよ?」
(
実際、俺は灼と昼休みに生徒会へ行く約束をしていたのだ。急なスケジュール変更で
「まあ、ここら辺でいいだろう」
俺は肩に力を入れて
だが、景色は良い。僅かに残った空の
「で、話って何だ?」
腰を下ろし、弁当を広げようとした時、ひん曲がりそうなほどの音を響かせて
「探したわよッ、平良ァ!」
そう叫びながら、猛烈な怒りを
突然の出現……しかし、出てみれば必然の登場に
「そういえば
「えっ!? ……えっと、双月ちゃん?」
いきなり飛んで核心を突かれて、
もっとも灼の胸の内に、平良との時間を邪魔されたという
俺は何となく
(まあ、見捨てられないな)
「俺たちは
「え、えーと……うん」
後悔が声となって
「
瞬間、手の中で灼の頭が
「あ、あの日……
「真っ当な意見だわ」
「俺だって、それくらいは理解できる。先輩にも悪かったと思ってる。でも……」
苦しみと悲しみと悔しさを混ぜて、涙として。コンクリートの上に、とめどなく落ちる。
「たかが……たかが、部室の存続って言いやがったッ! 確かに取るに足らない出来事なのかも知れない……だが、俺にとって……お前たちとの『文化祭』や『考古研修』だって……『ツーリング愛好会』だってッ……」
富樫が不意に、ぐっと、
「
(こいつがこんなに熱血だったなんて、な)
ただ聞く俺の
(しかし)
「
俺は
(やっと『部室整理令』から解放されたと思ってたんだけど、な)
「ああ、間違いない……と思う。俺も
富樫は灼からもらったティッシュで目じりを
「おまえ、
微妙に
「あんたが貰った『玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする』よッ」
「……俺は
「お前、
「だって、会長が歌を見たあんたのことを『ピンク脳』とか言ってたわよッ!?」
思考に
「俺、いちおう『百人一首部』に入ってるからな。部活動で短歌とか作るわけよ。それで部長……
しかし安心しろ。あんなドSな
「お前から
乾燥した笑みを
「
「ちょ、ちょっと、それどういう……」
俺と灼は、そのまま
「
俺は
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