ユウ君の成長日記

7年目

　桜が舞う中で、ユウ君はお母さんに手を引かれて、小学校の門をくぐりました。

　背中にはおばあちゃんに買ってもらったピカピカのランドセルを背負って、少し不安そうな顔をしているユウ君。

　お母さんはそんなユウ君に笑いかけ、一緒に校舎に入っていきます。

「ユウ、3組だって」

　お母さんがクラス割りを見て教えてくれます。

「タイ君も一緒だって」

「ほんとっ？」

　保育園で仲良しの太一君ことタイ君。

　一緒のクラスだと知って、ユウ君も嬉しそうです。

　校舎に入っていき、自分の教室に案内されます。

　教室には、男の子が17人、女の子が12人、おしゃべりしながら、でも落ち着かない様子でわいわい騒いでいます。

　ユウ君は早速タイ君を見つけて近づき、おしゃべりを始めます。

「ユウ、いっしょだな」

「うん！」

　タイ君もユウ君に気づいてはしゃぎます。

　すぐに、教室に先生が入ってきました。

　優しそうな表情の、お母さんよりも一回り年上の女の人です。

「みんなー、静かにしてねー」

　先生が声をかけます。

　なかなか教室は静かになりませんが、先生は一人一人に声をかけ、全員が席に着き、やっと静かになったところで先生は挨拶します。

「はい、みなさん、おはようございます」

『『『おはようございますっ』』』

　先生の挨拶に、クラスのみんなは元気に挨拶を返します。

　ユウ君もみんなと一緒に挨拶です。

　先生は黒板に、ひらがなで『さくらい　けいこ』と大きく名前を書きます。

「一年間、みんなの担任の先生になる、桜井です」

　にっこり笑う桜井先生に、ひそひそと「優しそうな先生だね」って声が上がります。

「早速ですが、これから体育館に行って入学式です。みんな、お父さんやお母さんが待ってるから、かっこよく入場しましょう」

　先生の先導を受けて、ユウ君たちは体育館に向かいます。

　体育館では、新入生の入場に合わせて、保護者がカメラを向けます。

　たくさん並べられた保護者用の席からはカメラを向けた保護者、両脇には小学校の先生がずらっと並んでいます。

　ユウ君はちょっと緊張しながら一番前に並べられた椅子に向かってあるいていきます。

　不安な表情はそのままですが、保護者席のお母さんを見つけたらにっこり。

　元気を取り戻しました。

　あんまりおもしろくない校長先生や来賓のお話を聞いて、上級生の合唱を聞いて、もう飽きたな～、と思っていたら入学式は終わりました。

　ユウ君、ほら、寝てちゃだめだよ？

　式が終わると、ユウ君は教室に戻り、学校の説明を受けます。

　トイレに行きたいときは手を上げて「トイレに行かせてください」って言うこと。

　「先生おしっこ」はダメですよ、とか。

　お母さんも、保護者への説明があったので別の教室に集まって、学校生活やPTAの説明を聞いています。

　お昼前にはこの日の行事は全て終わり、早々にお家に帰ります。

　その前に、校門で記念撮影は忘れません。

　遅れてやって来たお父さんが、ユウ君とお母さんの写真を撮り、タイ君のお父さんが、ユウ君とお父さんお母さん3人の写真を撮ってくれました。

　ユウ君、これから小学校一年生だね。

　ガンバレ！ユウ君！