4年目
お日さまがぽかぽか心地よい、昼下がりのことです。
ユウ君、お昼寝から目を覚まして、とことこ歩き出しました。
さっきまで被っていたお気に入りのカエルさんのタオルケットを、マントみたいにして引きずっていきます。
心なしか、ウキウキしてるみたい。
気分は大好きなアソパソマンなのかな?
かっこいいぞ、ユウ君。
そんなヒーローみたいなユウ君が向かう先は、カーペットの上でお昼寝中の、妹のナオちゃんのところです。
桜色のタオルケットをかけて、気持ちよさそうにすやすやと眠っています。
ユウ君、そのままナオちゃんの上を通ります。
マントみたいなタオルケットがナオちゃんを覆い隠します。
そして、そのままナオちゃんの上にしゃがんじゃいました。
ああ、何してるの、ユウ君。
こんなことしちゃダメだよ?
近くで様子を見ていたおばあちゃんが気付きました。
「ユウちゃん、ナオちゃん苦しいってよー」
おばあちゃんはユウ君を抱えます。
ユウ君ご機嫌に笑い出しました。
ユウ君、いじわるしちゃダメだよ?
妹はいじめるんじゃなくて、守らないと。
でも、ユウ君だって本心からナオちゃんをいじめたいわけじゃないんです。
これまでは、ずっと「ユウちゃん、ユウちゃん」ってみんなからかわいがられていたのに、ナオちゃんが生まれてからはみんな「ナオちゃん、ナオちゃん」って、妹ばっかり構うんだもん。
ユウ君だって、もっとみんなにかわいがってもらいたいし、遊んでもらいたいもんね?
ちょっとナオちゃんに嫉妬しちゃっただけだもんね?
ユウ君、大きくなったら、妹を守る立派なお兄ちゃんになってね。
約束だよ?
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