SS「節分の豆と異世界の曜日」



もうすぐ節分ですのでSSを載せます。

本編とは関係ありません。



2月3日は節分の日だ。

それよりもそろそろマズイのが受験だ。

私立高校の受験はもう終わっている。


私は公立高校を受験するのでいいけど。

そうとはいえ、そろそろ日本帰らないと正真正銘ピンチである。


滑り止めとして私立高校も受験するというのにもう終わっているとは。

悲しい。時の流れが経つのが早すぎる。


「そう落ち込むな。ほれセツブンと言ったな。これでも食べておけ。」


黒竜であるクロがそういうと巨大な豆を出した。

クロ、あなた空間魔法使えたっけ?

それよりもこの巨大な豆は何だろう。

しかも巨大を通り越している気もする。

だって豆は私の頭よりも遥かに大きい。これ食べるのだろうか。


「風習として、この豆を1人で食べ切り、家の邪悪なものを払うというものがある。」


クロが説明してくれた。

異世界の節分の風習がなかなかにもすごい。

豆を切ると中には肉やら魚やら野菜が入っている。意味不明。


「言い忘れていたが豆の中には様々な料理が入っているのだ。」


これ何キロぐらいあるんだろう。

絶対にこれは食べ切れないでしょう。

数日に分けて食べるしか無いよね。


しかしこんな中に料理を入れた巨大な豆があるとは。

私が前に聞いたのは日本の世界での風習だった。

異世界の風習もちゃんと存在しているんだなと少し感心する。

二十四節気、立春の前にある節分は季節が分かれるという意味があったはず。

なんか学校でそう言っていたような記憶がある。

春といっても実感がわかないけど。


「クロ、異世界の季節や月ってどうなってるの。」


純粋に気になった。まだ私は秋と冬しか体験していない。


「これは勇者が伝えたものになるが花が咲き始める時期をハル。

花が散り、少し暑くなってくるとナツ。

暑さがおさまり赤や黄色の葉っぱが増えてくるとアキ。

葉っぱがすべて散って寒くなり雪がふってくる時期になるとフユと言っている。」


日本と同じだ。そこまで変わらないんだな。


「しかし、この時期にセツブンがあるとはニホンという国も不思議だな。

ここではもう少し遅い時期に豆を食べるのだが。」


「じゃあ何で豆を渡したのよ。」


異世界の節分が今日じゃないなら渡さなくてもよかったのに。


「今日がセツブンだと言っただろう。だから言ったまでだ。

知っての通り今日は氷曜日だろう。だから...。」


「ちょっと待って氷曜日って何。」


氷曜日とは聞いたことがない。月火水木金土日が曜日だ。

日本でおなじみ。というか世界でもそうじゃなかったっけ。

サンデー、マンデー、チューズデイと小学校時代に歌った。

懐かしい。やっぱり氷が入っているとはあり得ない。


「炎、水、氷、風、土、雷、光、闇と各属性を曜日とされている。」


初耳すぎる。しかも1週間が8日?

属性ごとなのは理解できる。さすが異世界と思う。でも曜日まで違うとなると。

私は今まで異世界召喚された日から数えているから、まずい計算があわない。


「じゃあ、あの年越しは何なの。除夜の鐘ならしてたじゃん。」


「あれは勇者が伝えたから1月1日をトシコシとしたのだ。元は違う日だったぞ。」


今までよくクロと話が噛み合ったなとしみじみ思う。

普通噛み合わなくなると思うんだけど。

これも勇者のおかげか。勇者ってどんな人なんだろうか。写真を見てみたい。

ここまで異世界の文化に影響を与えるなんて。


まあそれよりもこの豆どうしようか。

とにかく今日が節分じゃないなら異世界の節分の日に食べたら良いよね。

うん、そうしよう。


アイテムボックスに豆を入れる。完全なる現実逃避だけど仕方ない。

これ見たら誰でもなるから。



(あとがき)


近況ノートでもお知らせしましたが、PVが1500を超えました。

ありがとうございます。

更新が少なくなりますが、よろしくお願いします。


本編とは関係ないと言いましたが曜日は関係あります。

炎、水、氷、風、土、雷、光、闇です。

各属性ごとになっています。本編にも影響があります。

これからもし曜日が出てくる場面がありましたら、由香は理解できています。

少し分かりにくいこともあるかと思いますがよろしくお願いします。



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