第7話 初の魔物討伐



魔物討伐に行こうと思ったが、そもそも泊まるところがない。

今日は宿を探して、明日討伐に行くとしよう。

地図が無いと不便なので魔法で制作する。


「地図」


これで、これからわざわざ人に聞かなくても場所が分かる。

ちょっとコミュ障の私には難易度が高かった。

一番近い宿がここだ。いい匂いが漂ってきている、今は食事の時間帯かな。

宿に入る。


私を見てる人達がいる、そんなにも目立つかな。服は普通のワンピースなんですけど。


「いらっしゃいませ。」


「ここに泊まることってできますか。」


「はいもちろんですが、何泊されるおつもりですか。」


「3日間泊まることってできるかな。」


「はい大丈夫です。食事はどうされますか。」


「じゃあ食事もつけてくれる。」


「分かりました。お風呂は夜7時から10時の間となっています。なるべくその時間帯に入るようにしてください。料金は銀貨3枚です。」


銀貨3枚を払う。少し懐が寒くなってきたかもしれない。


「はい、ありがとうございます。食事は今すぐ出しましょうか。」


「ありがとう。食事を部屋で食べてもいいかな。」


「はい、では部屋にお持ちしますので、2階の209号室の鍵をお渡ししておきます。」


そう言うと鍵をくれた。2階に上がり、部屋の中に入る。

1人部屋なのでそこまで広くはないがベッドや机、椅子が置かれている。

3日間過ごすには十分だと思う。


宿の料金が少し高かった、王都だからかもしれない。

早く遠い街に行きたいな。そして家を建てて、中に図書館をつくりたい。

平穏に暮らすんだ。未成年が家を持てるかは知らないけど。

あと元の世界に戻る方法を探さないと。


「失礼します。食事をお持ちしました。」


「ありがとうございます。私はユメカ、あなたは。」


「私はクレアと言います、よろしくお願いします。」


クレアさんは部屋から出ていった。

食事はパン、シチュー、牛乳でとても美味しかった。

よかった美味しい食事が食べられる宿でした。


お風呂に入る。

この世界のお風呂の使い方は火と水の魔石に触れるとお湯が出る仕組みだ。

着替えを取り出し、明日に備えるために早く寝る。



早く寝たので、体力、魔力は回復している。

まだ眠気が覚めていない。


「失礼します。朝食をお持ちしました。」


クレアさんが朝食を持ってきてくれた。食べようとしていると。


「そういえば王国から指名手配されている人がいるみたいですよ。赤髪のショートヘアに赤い目をした少女だそうです。子供を指名手配するなんて、普通おかしいですよね。」


「う、うん。そうだね。」


危うくパンを落としそうになった。赤髪のショートヘアに赤色の目、絶対に私だ。

クレアさんにはバレていないようだし大丈夫だろう。


「でも赤髪ってここでは少ないんですよね、1度見てみたいです。」


その人は今目の前にいるんですけどね。


「では、失礼しました。」


まさか指名手配されるとは思ってもいなかった。なんか追いかけられている気が。

そんなわけないだろうけど、1人消えたところでそんなに変わらないはず。こんな文化系女子を追いかけるなんてどうかしてるよ王国は。


朝食も食べましたし、早く魔物討伐に行きますか。


クレアさんに挨拶をして宿から出る。

「地図」を起動させて門まで行く。


「今から外に行くんですか。」


「はい。そうですけど。」


門番の人に話しかけられる。


「ごめんね、最近指名手配を探せと上からしつこく言われてるんだ。身分を証明でききるもの持っているかい。」


ギルドカードを渡す。


「冒険者ですか。外は危ないので気をつけてください。」


「分かりました。」


ギルドカードを受け取り、王都の外に出る。

しばらく歩き、森へ到着する。


この場所は初心者向けの討伐区域だ。ゴブリンやウルフが生息している。

早速ゴブリンが現れる。


「鑑定」


種族「ゴブリン」 レベル3


ゴブリンのステータスだ。レベルが低いので倒せるはず。

ゴブリンがこちらに向かってくる。


火撃ファイヤーショット


ゴブリンが焼けてしまった。死んでるのを確認し、近づく。

威力が高かったのか原型を留めていない。

まあいいやゴブリンは討伐部位がない。理由は使えるところがないから。

魔石だけを持って帰るだけでいいらしい。


簡単に倒せることが分かった。魔石をゴブリンから取り出し、遺体を焼く。

これをしないと匂いを感じ取った魔物が来るそうなので遺体を焼くのは冒険者としてのルールだ。


手が血まみれだ。気持ち悪いので水で洗う。魔法って便利だ。


さらに奥へ進むとウルフの群れを発見した。

ウルフは皮を毛布として使うので焼き切ることはしないらしい。

炎じゃなかったら水か氷だ。

水はやりにくそうなので氷で倒すことにする。


氷矢アイスアロー


そう言い数十本の矢を作り、狙いを定めて放つ。

一瞬にしてウルフが倒れる。


戦いは終わったが、ウルフの死体が散乱している。

あれほど戦ったのに服が汚れていない。

てか私、武器も装備もしないままで来てよく生きてたな。

すっかり忘れていた、こういうのが死に繋がるのだから気をつけないといけない。

そして1番問題なのが解体だ。ウルフを解体することは多分精神的に無理だ。

とりあえずアイテムボックスの中にウルフを入れて王都に帰ることにした。






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