第4話 対戦
「は、お前確か垢月じゃん。何だよいつも本ばっかり読んでるくせにでしゃばってくるんじゃねーよ。」
中心人物である
はい、予想通りの回答です。確かに本は読んでるけど。
「垢月さん、対戦なんてあなたには...。」
皆さん、私を文化系女子と勘違いしてませんか?まあそうですけれど。
私にだって意地ぐらいはある。ここで引くほど弱くない。
「で、どうするの。まさか対戦しないなんてことはないでしょうね。自分が負けたくないから。」
「お前っ。まあいい、その鬱陶しい顔ひん曲げてやるわ。」
「私が勝ったら、双葉さんのキーホルダー返してもらうから。」
「いいぜ、でもまあお前は負けるけど。」
よし交渉成立。クラスメイト全員がいる中で約束破るほどではないだろう。
「垢月さん、あなた負けるわよ。あいつ性格は悪いけど実力はあるし。」
さすが生徒会長、文化系女子の私にまで気をつかうとは。
「大丈夫です。勝算はあるので。」
朝比奈さんは不安そうな顔をして去っていった。
明日の昼12時から対戦を行うことになった。
それまで本を読んで、レベルアップをする。
絶対に負けるわけにはいかない。
いつも休み時間うるさくて迷惑してたんだ、本を読んでいるというのに。このタイミングでストレスを発散する。
そして対戦の日を迎えた。
私はぎりぎりまで本を読んで、対戦場に向かった。
クラスメイトが集まっている、なんで。
「うわ、無謀なやつが来たぞ。」
無謀だと思われていたらしい。悲しい、まあ悲しくなんてないんだけど。
「じゃあやるか、まあこんなやつに俺の魔法を見せる必要はないな。」
そういって武藤は剣を持ってこちらに来た。
「お前ごときが俺と対戦するなど1億年早いが、対戦してやるよ。」
何こいつ厨二病ですか?まあよくそんなセリフが出てくるな。
審判はクラスメイトの
「でっでは始め。」
「これで終わらせてやる。」
そう言うと武藤は剣を振りかざしてきた。こいつは剣が得意なのか、でも。
「なっなんで、斬れないんだ。」
私は結界を張っていた、一応3枚。
でもこいつ結界を見破ることができないのか。レベルが高いと剣で結界を斬ることもできるはずなんですけど。え、もしかして。
「鑑定」
名前 「武藤翼」 「15歳」 種族「異世界人」 職業「魔法剣士」
Lv3 HP 270/300 MP 200/300 経験値25/300
潜在能力「ソードマスター」
効果「剣の命中率が上がる」
獲得スキル
「身体強化」「剣術」「攻撃魔法(火魔法)」
称号
「異世界人」
まってレベル3で強いの、私のレベルアップの努力とは。
先に鑑定しておけばよかった。
しかし今までの恨みを果たすのは変わらない。
「今度はこっちの番ね。」
「
「勝者 垢月さん。」
はい、1発で終了しました。
武藤は雷撃によってボロボロになっている。
でもちゃんとキーホルダーは傷つけないように調整したんだけど。
クラスメイトが混乱している。
すると私とは正反対な人生を歩んでいる生徒会長の朝比奈さんが近づいてきた。
「垢月さん、なんで武藤はあなたに近づけなかったの。」
「結界魔法を使っただけだよ。」
そう言うとクラスメイトはまたもや混乱しているようだ。
まあいいや、武藤のポケットからキーホルダーを取り出す。
そして双葉さんに渡す。すると、
「おいおい、ヒーロー気取りかよ。赤髪だもんな、どうせそれも染めてるんだろうけど。」
そう言われるのも無理はない、私は赤髪に赤色の目だ。日本ではあまり見ないだろう。これは垢月家の遺伝なのだが、こういうふうに言ってくる男子がいる。
主に女子は言わない、影でしか。
まあ慣れてるけど。幼稚園、小学校もそうだった。
鬱陶しいけれど仕方がないことなのかもしれない。
やっぱり受け入れられることなんてないんだよ。
わかったことでなんでこんなに傷ついているんだろう。バカらしい。
「垢月さん、ありがとうございます。このキーホルダー両親の形見なんです。」
双葉さんが感謝を口にしてくれた。両親の形見とかあいつら何奪ってるんだよ。
クラスメイト主に女子が武藤達への悪口を言う。ざまあみろって感じだ。
「よかったです、双葉さんの大切なキーホルダーを取り返すことができて。まあ私はバカな男子にムカついていただけなので。」
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