第3話 異世界の常識
本を読んでいて気がついたら朝だった。
ふわー。自然と欠伸が出る。眠い、さすがに夜更かしし過ぎたかもしれない。
言うと「司書」の特典である本5冊を読み切ってしまった。
ハラハラドキドキの展開、見逃せなかったね。
本が面白すぎて忘れていたがステータスがどうなったのかが知りたい。
ステータスOPEN!
名前 「垢月由香」 「15歳」 種族「異世界人」 職業「司書」
Lv8 HP 990/1000 MP 850/1000 経験値368/2000
潜在能力「ブックポイント」
効果「本を1ページ読むごとに経験値を獲得する」
固有スキル
「ブックストア」
効果「元の世界の本を取り寄せることができる」
「魔法製作」
獲得スキル
「鑑定」「異常状態&自然回復」「魔力操作」「空間収納」「身体強化」
「経験値増加」
「攻撃魔法」(火、水、土)「結界魔法」「隠密魔法」New!
称号
「本好きの異世界人」
レベルが8になっている。これは「経験値増加」で経験値の獲得が2倍になったからだ、レベルが上がりやすくなっている。
新しく増えたスキルは「身体強化」「経験値増加」「攻撃魔法(土)」「隠密魔法」の計4つだ。
一番欲しかった「隠密魔法」がここで手に入った。これで身を隠し、この王国から逃げることができる。
でもまだ様子を見ておきたい。まあ様子がおかしいと思えば「身体強化」して逃げればいい話だ。
「失礼します。おはようございます、朝食の時間です。」
メイドの人がわざわざ来てくれたようだ。メイドの人に食堂まで案内される。
「こちらが食堂となっています。」
クラスメイト達が続々と集まっている。眠たそうな人もいれば、バカな男子達が一心不乱にご飯を食べている。
こいつらはこんな時でもご飯を食べることができる精神の強さがあるらしい。
私もご飯は食べるけど。さすがに食べないと1日持たないからね。
垢月家の家訓として絶対に朝ごはんは食べるという家訓がある。
これは大事なことだからいいけど家訓にするほどのことかなとは思う。
メニューは白パン、牛乳、目玉焼きだ。
「いただきます」
まあ一応食べるのはありがたいことだとは思う。
「ごちそうさまでした」
声に出して「いただきます」「ごちそうさまでした」と言わなければいけない。
これも家訓だ。うちの家はかなり真面目だと思う、まあ大事なことだけど。
ご飯を食べ終わり、教室へと移動となった。
この世界の勉強をしなければいけないらしい。中学校とそこまで変わらない。
正直だるい。今日はお金についてだ。
この世界のお金は銅貨、銀貨、金貨、白金貨とある。
銅貨100枚で銀貨1枚
銀貨100枚で金貨1枚
金貨100枚で白金貨1枚となっている。
日本円に換算すると銅貨1枚で10円
銀貨1枚で1000円
金貨1枚で10万円
白金貨で100万円だ。
外で活動することもあるということで金貨5枚、銀貨10枚、銅貨30枚を貰った。
日本円だと51万300円。
クラスの人数が23人(不登校生徒や休みの人が多かった、実際は34人。)なのでそう思うと太っ腹な気もする。信用はないけど。
安い宿だと銅貨10枚で1週間も泊まれる。パンは1個、銅貨1枚が平均。
これ普通に逃げれるよね。お金を貰ったので生活に支障はない。
タイミングなんだよな。今は座学中心。あと2週間ほどしたら実技に入っていく。
できれば異世界の知識は頭に入れておきたい。実技もある程度はできておかないと逃げた先で死んでしまう。
1ヶ月後には、この王国というか城から逃亡しよう。
それまでにレベルを50にはしておきたい。
お昼を済ませ、午後からは自由時間だ。各々で剣や魔法の練習ができる。
まあ何をしてもいいということなので本を読もうと思う。
しかし本を読んでレベルが上がり、スキルが手に入るなんて一石三鳥ですなー。
そして私の固有スキル「ブックストア」で本を取り寄せたいと思う。
できるかは心配だ。どういう感じで取り寄せできるかは分からないからな。
「ブックストア」
「元の世界の本を取り寄せます。
現在レベルが8なので8冊の本を取り寄せることができます。」
見た所異世界転生系や恋愛小説などの本が画面にある。取り寄せるにはお金が必要で
1冊で銀貨1枚だ。これは高いのか高くないのかは分からないが。
とりあえず買うしか無いんだよな。ポチッ。
「購入が完了しました。本を転送します。」
初めて買った本は異世界転生系の物語とミステリー小説の3冊だ。
「わあ、面白そう...。」
これはまだ見たことの無い小説だ。嬉しくて仕方がない。
とりあえず読みますか。
5時間後...。
ゴーン、ゴーン。鐘がなったのを確認し、部屋にある時計を見ると18時を過ぎていた。まずい食堂に18時までに来てくださいと言われていたのに。
「失礼します。ご飯の時間ですが。」
「すみません。忘れてました、すぐ行きます。」
メイドさんが呼びに来てくれたみたいだ。急いで食堂に向かう。
すると争いの声が聞こえてきた。
「あんた達、強いからって人の物取るとかあり得ないから。」
「はあ、強いから何しても良いに決まってるじゃん。」
見るとバカな男子数名が気弱な女子、
よくある典型的ないじめだ。スキルを手に入れてイキっている馬鹿な男子。
うんムカつくね。受験生だというのに、こいつらは小学生以下か。
文化系女子である私が口を突っ込んでも意味がないだろうし、でも双葉さん優しいんだよな。やっぱりムカついてきた。
朝比奈さんが男子からキーホルダーを取ろうとするが、なかなか取り返すことができていない。この場に先生もいない。
覚悟を決めよう。まあ私はいつでも1人ぼっちだし、そんな変わらないよね。
仲間はずれにされたところで。
「へえ、そんなにあなた強いんだね。じゃあ私と対戦してよ。」
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