第9話 二人の兄との出会い
特別に、環が増えてもあまり変わりなく、日々は過ぎる。
二人に息子の子育てのことでの反省をしていた、博と亜希は、家にいるときはできるだけいろいろと環と遊んだり、本を読んだりしていた。博はすでに、週4日は、働きに出ていたが、昔ほど激しい働き方はできない、していない、いやしたくないので、余裕もあった。
亜希は、とりあえずは、環のこともあり、今はパートの仕事はしていない。休みの日は、近くの運動公園でいっしょに走ったりしていたが、幼稚園児入園前とは思えないぐらいの持久力があった。走るのも多分、同年代の子よりも速いだろうが、むちゃくちゃ速いわけではなそうだが。時に、夏休みで、久しぶりに東京で就職した次男の雅人が帰ってきた。
長男の秀樹は、比較的近いため、すでに環とは何度かは顔を合わせており、仲のいい家族のように話していた。しかし、次男の雅人は初めてでもあり、少し環も緊張気味だったようだ。
駅まで、車で迎えに行った亜希が雅人と一緒に帰ってきたときに、環は、雅人の顔を見て、普段よりもうれしそうな顔を見せた。
「こんにちは、環ちゃん。雅人兄ちゃんだよ。」
「はじめまして、雅人じいちゃん。これから、よろしくお願いします。」
「え、まだまだじいちゃんじゃないよ。」と雅人が笑いながら、言うと、
「あっ、ごめんなさい。雅人兄ちゃん。」
と環が言ったので、みんな大笑いになった。よく考えれば、秀樹が、博の妹の優子を、「うんこねーちゃん」と舌が回らずいっていたのを思い出した。確か秀樹が初めてあったときも、兄ちゃんがじいちゃんみたいに聞こえたことも思い出した。
「雅人はじいちゃんで、俺は、おにいさまね。」と秀樹が言う。
「いや、俺は、王子様だ。」と博が言うと、さすがに、みんながナイナイと手を振る。
雅人は、2泊3日の帰省であったが、環は秀樹以上に、なついているようだった。秀樹も休みで戻ってきたため、はじめて、家族5人が揃った。
秀樹も雅人も、環が2人ともになついていることもあり、喜んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます