第3話 児童相談所からの連絡

 ハローワークからの帰宅後、児童相談所からの電話があり、なんでも、あの子は泣きやまないし、うちに戻りたいというらしい。いや、うちの子供でもないのだが、どうすればいいのかと亜希と顔を見合わせる。だいたい、まず、親がいるのか、などはどうなっているかだが、それも全くわからないらしい。

突然この世に舞い降りた天使様なんてこともあるまいし。川からも流れてきていないし、竹からも出てきたわけでもないのだ。

よく聞けば、すでに脱走まで試みていたらしく、なぜか、児童相談所からは、もし可能ならば、この子もそちらになついているので、里親になってもらうとありがたいなどいきなり言われても、・・・。あまりにも、話が唐突で、極端すぎる。


 だいだい、この歳で、いきなり里親って、二人で頭をかかえる。ふるさと納税は知っているが、里親制度なんて知らないし、考えたこともない。それに、まだ、保護されて、1日。それも、うちに、たまたま1回来ただけの子をいきなり引き取るなんて、想像もできない。まずは、電話では、このようなことは簡単に判断できないし、里親制度の知識もないし、と丁寧にお断りしたら、先方も「まぁ、そうですわね。とりあえず、検討だけでもしてもらえればと思っただけですけどね。あの子があまりにそちらに帰りたいというもんですから。」と言われ、電話は終わった。


 「やっぱり、あなたの隠し子じゃないよね」

 「いやいやいや、ありえないよ。頼むよ。」

 「でも、まぁ、困ったなぁ。里親になる気もね。この歳で。そんな経済力もないし。」

 「そうよね。私も、もうあの小さい子はつらいわ。」


 亜希は、昔の二人の息子のことを思い出していた。

かわいかったけど、つらかった思い出も多かった。博は仕事で忙しく、休日出勤も当たり前であった。特に二人は男の子であり、小さい頃はあちこち走り回って大変だった。自分はおとなしく、つつましい女子だったのに、気が付けば、体育会系の人間となっていた。声も大きくなり、少々、お言葉も悪くなった気がする。

「でも孫ができたら、面倒見るのはあり得る話だけどな。」

と言い、二人は、しばらく黙り込んだ。孫はかわいいが、体がもたないと嘆いていた誰かの話を思い出したからだった。




  読んでいただいた方、ありがとうございます。

 とりあえずは、やってみようということで、第3話までなんとか、投稿できまし 

 た。拙いので、申し訳ございませんが、楽しんでいただければ、幸いです。ゆっく

 りとしか投稿できませんが、よろしくお願いいたします。

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