第三話 魔術?

「魔術とはのぉ、軌跡と呼ばれるものがあってのぉ、その道に沿って描くことで術式を生み出すんじゃ、一筆書きで済むもの壱式、二筆書きで済む物が弐式というようにのぉ、複雑なものほど難しく、展開速度が遅い、だが基本そっちの方が強いのじゃ、そして、零式、これは、描かずに展開できる術式でのぉ……」


ベットから落ちかけているような状態で、酒を飲んで眠りかけている


氷華がヘロヘロになりながら、そう話す


「へぇ~なるほどねぇ」


氷華の話を聞きながら、メモを取る


さて、説明しよう、彼女がなぜ泥酔して寝ぼけながら魔術の話をしているのかを


先ほど、氷華の家に連れてきてもらった後、彼女は酒を飲み始めた


そして「飯を作れ」と命令した後、眠った、眠ったのだ


このゴミ屋敷と言っていいほど、ゴミと服であふれた家で


それから、俺は掃除洗濯を済ませ、ご飯を作った後、氷華を起こし


「うまいのォうまいのォ、だが儂はもっと薄味が好みじゃ」


そんな文句を言いながら、もぐもぐと食べる氷華を見て


少しイラついたが、泊まらせてもらっている立場、文句は言えない


「わかりました、もっと薄味ですね」


俺、神様だよなっていう疑問が頭に浮かんだが、諦めた


「酒じゃ、酒をくれ、あそこにある」


その言葉を聞いて、氷華が指さす方に向かい、酒を取り出す


それを手渡し、ついでに水を汲みにいく


「ふぅこれじゃ、これ、やっぱ、これじゃ」


酒を飲み、口を拭きながら、そう言葉を吐く、気持ちのいい声が聞こえてくる


その後、水を置いたが、そのままぐーすか寝始めた


で、今、このありさまである


寝ている氷華に声を掛け、適当に疑問をぶつけていると勝手に話始めた


「魔術式、か、なるほど、見てた感じ、神域とは違うのか」


『神域』(神のみが使える能力、神の領域を略してそう呼ばれる)


聞いている感じ術式を勝手に組んでくれるという点では、零式と同じなのか?


だけど人間が神域を使える事なんてないらしいし、よくわからないな


まぁいっか、魔術、いや、う~ん、やっぱ知っといた方がいいよなぁ


神という存在は別に無敵じゃない


神は基本、誰かに負ける、誰かに殺されることはないが


偶に『特異点』と言われる例外が存在するらしい


世界を守る守護者、いや、神に与えられた試練、か?


その『特異点』を殺すことが世界を滅ぼす為の第一関門だ


だから、この世界の技術を学ばなければならない


『特異点』と呼ばれる存在を殺すために


この世界に根付く技術、幅広く浸透している『魔術』


それを学ばなければならない


だが、わからん、まったくわからん


世界によっては『武道』を使う所もあるらしく


そういうのだったら簡単らしいのだが


『魔術』使って見たらわかる、かも、か


「けどな~術式の作り方とかわからないからな、軌跡、どうゆう事だ?」


少し考えてみたが結局わからない、軌跡、そんなものはないし、見えない


「よし、考えてもわからん」


「聞くか」


そう言って、氷華の方を見る


だが、何回か起こそうとしたが起きなかった事を見るに


もう起こすのは無理だと判断し、自分も寝ることにした


明日に期待して、「おやすみ」

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