最終話 いつまでも続く

恋人となった僕と天宮愛乃は僕の家で同棲することを決める。

もちろん天宮愛乃が余計に家賃を払う意味が見当たらなかったからだ。

僕は両親がこの部屋を買っていたため持ち家となっている。

両親からこの家を受け継いでいるので僕と天宮愛乃は同棲をすることと相成った。



恋人になってからも彼女は毎日お弁当を作ってくれた。

僕の健康を気にしてくれているようで毎日違う彩り豊かな食事を作ってくれる。

自分も仕事があるというのに家事を疎かにすることは一度もなかった。

「僕も手伝うよ」

そんな言葉を口にしても彼女は首を左右に振る。

「私が全部やりたいからやっているんだよ。気にしないで」

甘やかしてくれる天宮愛乃に僕も完全に甘えきっている。

「義くんはゆっくり休んでいて。今日は休日でしょ?」

「そうだけど…愛乃さんだって休日じゃない」

「そうだね。でも私は義くんの為に動いていたいから」

「なんで…そんなに…」

そんな言葉を口にすると彼女は少しだけ表情を崩して告白のようなものをした。

「あの吹雪の夜に私は本当の優しさってものを知った気がしたの。あの頃はバイト先で嫌な事があったり就職活動とか色々と気掛かりでいっぱいいっぱいだった。もう何もかもどうでもいいかな…なんて諦めかけていたんだ。それに加えてあの吹雪だった。私は本当に不幸だと感じたんだけど…そんな感情も次の瞬間には吹っ飛んでいた。義くんが傘を差し出してくれて。私は翌日以降も体調を崩すこともなく過ごすことが出来た。前向きに生きようと思ったのもバイト先に就職することが出来たのも…あの日に義くんが私に人のぬくもりを教えてくれたから。あの日から私の運気は右肩上がりになっていった。だから私は義くんに恩を感じているし一生をかけて返していきたいんだ。だから全力で義くんを甘やかすしいつまでも溺愛するよ。迷惑って思われるまでは…ずっと…」

僕はそんな正直な告白をしっかりと受け止める。

僕は亡き父の教えによって幸運の輪に巻き込まれたのだろう。

これからも父の教えに従って人の役に立ち助けになる存在になりたいと改めて感じるとここからも僕と天宮愛乃の幸福な日々はいつまでも続くのであった。


                完

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超甘々超溺愛とは何かを思い知らされる僕の恋愛物語。ある冬の寒い吹雪の日に傘を差し出しただけなのに… ALC @AliceCarp

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