第20話 ダンセット遺跡探索①
遺跡の手前で休息を終えた一行は、入り口らしきの広場にたどり着いた。
「神秘的な場所ですね。」
「建物と木が多い茂っていてあまり日が当たらないね。」
レイナもココも初めての場所だ。
ゲームでの記憶とも全く違う感じがする。
建物が自然と同化した神秘的な光景が目の前に広がる。
どれぐらい時が経っているのだろう!2階部分はほとんど崩れて無いが、1階は天井がある部分もあり部屋らしき扉もある。
「ここには何回も来るつもりで、場所を確認しながら進みましょう。」
「クロとシロにこの入り口を覚えさせておいてくれ。」
ココは2匹の従魔と入り口付近を歩き回って確認した。
「コウ、覚えたよ。」
「ココ、クロとシロを先頭にゆっくり進んでくれ。」
「了解だよ!」
石畳みの廊下が真直ぐ続いており、左右の壁が2階位の高さから崩れている。
突き当りを右に曲がると遠くに人影を確認できた。
音を立てずに近づこうとした瞬間に、壁から黒い物体が飛びかかってきた。
レイナと俺はビックリしてその場を離れて、黒い物体をよく見る。
「黒い蛇!」
「コウ様、黒蛇です。毒をもっていますのでかまれない様に注意して下さい。」
レイナと俺は剣で黒蛇を退治する。
レイナの剣は切れ味が良いので簡単に蛇の首が切れるが、俺の剣は蛇を叩く感じだ。
5・6匹退治した時、目の前から矢が飛んで来て俺の真横を通り過ぎた。
「コウ様~大丈夫ですか!」
レイナが盾を装備して俺の前に出る。
前方にいた人影は今は見当たらない。
先行していたクロが何かを見つけたようで、低いうなり声を出して立ち止まっている。
「ゴブリンがいるよ!」
ココが確認したのと同時にコブリンがココに襲い掛かって来た。
「ココ!気お付けろ!すぐ行くから。」
「ココさん!弓矢に気お付けて下さい。射手がどこかに隠れているはずです。」
ゴブリンがこん棒を振り回しながら近ずくと、シロがゴブリンの顔をめがけて飛びかかる。
後方にいたゴブリンにはクロが飛びかかった。
シロとクロの攻撃でゴブリン達は一瞬ひるんで俺達の姿が視界から消えた。
その瞬間を逃さず一斉に3人で攻撃をした。
緑色したゴブリンは3匹!
こん棒を振り回すゴブリンが2匹、残りの1匹は剣と丸い木の盾を持っている。
クロに足を噛みつかれて倒れたゴブリンは、ココが動かなくなるまでナイフで体を何回も刺した。
シロが飛びかかったゴブリンには、俺が隙をみて背中から剣を突き刺した。
武器を装備しているゴブリンにはレイナが戦っている。
ゴブリンが持っている武器は、冒険者から奪ったものだろう。
シロが何度も牙で攻撃をしたおかげで、俺は怪我をせずにコブリンに攻撃が出来仕留めることができた。
武器を装備したゴブリンはレイナを畳みかける勢いで攻撃してきたが、レイナは冷静に盾で防いでいる。
ゴブリンが疲れて隙が出来た瞬間を逃さず、レイナは剣で攻撃した。
傷を負ったゴブリンが奥ににげていく。
「ゴブリンが逃げるよ!クロ・シロ追いかけて!」
ココの指示でクロとシロがゴブリンに噛みつく。
ゴブリンが払いのける状態で立ち止まってる内に、俺らがゴブリンに追いついた。
攻撃をしようとした瞬間に俺の顔めがけて弓矢が飛んで来た。
「ゴブリンアーチャーがいるよ!」
ココが言うのと同時に、レイナが俺の前に出て盾で弓矢を防いでくれた。
腰に巻いてあるバックが少し動いた気がしたが、ここはレイナに助けられた。
「レイナ様、ありがとうございます。」
「コウ様、壁の上にゴブリンアーチャーがいます。」
「レイナ様、俺に考えがあります。」
攻撃魔法がどれくらい威力があるか試しておきたい。
壁の上にいるゴブリンに向かってファイヤーボールの魔法を唱えた。
指の先から小さな火球がゴブリンに向かって飛んで行った。
火球はゴブリンの足元の壁に当たって、ゴブリンがガレキと共に落ちてきた。
「コウ凄いよ!」
「今がチャンスです。私が行きます。」
落ちて慌てているゴブリンにレイナが切りつける。
ココ達もゴブリンを逃がさない様に囲み、止めはレイナが仕留めた。
「さすがですコウ様。足元の壁を狙ってファイアー魔法を唱えるとは!」
「イエイエ、まだ威力が小さいので落とした方がよいかと思いまして。」
「コウ!火属性魔法が使えるなんてすごいね!」
本当はゴブリンを狙ったのだが、当たらなかっただけだとは言えない。
「みんな怪我はしてないか?」
「大丈夫だよ・・・それよりゴブリンの耳を切り落とさないとお金がもらえないよ!」
「ゴブリンの耳を切り落とす!」
「コウ様、討伐の報酬としてゴブリンは耳を切り落としてギルドにもっていくのがお決まりです。」
「そうですね~」
気が進まないが、決まりであれば仕方がない。
ゴブリンの耳を切り落とし、アイテムバックに素早く収納した。
ゴブリンが使用してた剣・盾・弓矢も回収しておいた。
「奥に進みましょう。」
この後何回かゴブリンに遭遇したが、みんなの連携が取れてきたのか難なく討伐できた。
暫らく探索をしていると、部屋の扉を発見した。
扉の左右には植物が生えており、ツタで覆われている。
「ツタが邪魔だから、切り落とすね。」
ココがナイフで木の枝や伸びてきているツタを切る。
「キャー」
突然ココが悲鳴を上げた。
悲鳴と共にココの足元は先ほどのツタが巻き付いており、そのまま上空に吊り上げられてしまった。
「コウ助けて!」
クロとシロが近づこうとすると、ツタが鞭のように襲ってきて近づけさせない。
ココは逆様の状態で身動きが取れない。
「コウ様、この木は生きています。」
レイナもツタを切り落ちすが、数が多すぎてココに近づけない。
「ファイアーで根本を攻撃してみます。」
ファイヤーボールを唱えて、植物の根元に放った。
植物は火の魔法に弱いのか、あっという間にに燃えてしまった。
「キャー」
ココが上空から落ちてきたのを真下で受け止めた。
「大丈夫か!」
「ありがとう!コウ大好き!!」
「ココさん大丈夫でしたか・・・私が代わりになればよかったのに!」
レイナがまた意味がわからないことをいった気がした。
ココを地面にそっと降ろすと、ココの足元に巻き付いていた跡が赤く腫れあがっているためか、痛そうな表情で立ち上がれず横になっている。
レイナに回復魔法をお願いしようとしたが、まだブツブツと独り言を言っている。
クロとシロがココの側に寄ってきて、心配そうな表情をしている。
シロがココの赤く腫れた部分をなめ始めた。
シロがなめた所が薄白く光り、ゆっくり元の状態に戻っていく。
「シロの回復能力だな。人間にも効果があるみたいだ。」
「シロ!!ありがとう!!!」
ココはシロの頭をなでて抱きしめて喜んだ。
「コウ、シロのおかげで足は元通りになったよ・・・この扉の先に進もう!」
ココの言葉で、扉を開ける体制を取った時に、シノが頭の中に話しかけてきた。
「ご主人様、この先に魔力を持った魔物がいます。」
「部屋の中はうす暗く見にくいため、ダークアイの呪文を唱えさせて下さい。」
シノの忠告を聞いて、一旦扉を開けるのをやめた。
次の戦闘に備えて準備をしておきたい。
シノからダークアイの魔法をかけてもらい暗闇でも見えるようになり、魔力をもっている魔物は何だろうと考える。
何事にも慎重に行くのがこの世界で生き残るのに必要なことだ。
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