バトルオブザダチョウ

 ダチョウがホームセンターに来てから早三日

 近所から駅まで行った際にも聞いたパーンと言う乾いた音が響く。

恐らく、拳銃だ。

川崎は拳銃に関してはどうせ扱えないだろうと、考えていた。

 ダチョウと共に過ごすことになり、大きな音が嫌うと知った今ではなおさらだ。

「どうやらお客さんみたいだな?」

 川崎が銃器を入手をしない理由の一つは音と弾薬の供給がある。

 いくら銃本体があっても、弾薬が無ければ無用の長物だと言う考えであった。

入手しない方向性で活動していた。

 今となってはダチョウの事も考えると、なおさらである。

川崎は余り持ち歩くものではない排煙ダクトの分厚い鉄板を加工した盾を引っ張り出し、ダチョウの背にまたがる。

川崎は盾を両手で持ち、ダチョウの前方で構える、バリケードの外に銃器を持った男を先頭にした、鉄パイプやどこで言付けてきたのか日本刀を持つ集団の姿を見つける。

 ゾンビは武器を扱う知性を残していないので、得物を持つ時点でゾンビではなく、暴徒である。

 リボルバー式の拳銃、川崎は詳しくはないが、男の持つ拳銃は俗にいう低威力拳銃であった。

 川崎の中では当たれば危険だと言う思考しかなかったので盾で防ごうと。

前方に構えていた。

パァーン、乾いた銃声が鳴り響き、盾の重さで、傾き、角度が付き、キーンと言う甲高い音が響いて、縦の表面を削って弾いていたが、ダチョウはsの音に怒り狂って、先日よりも早く加速を付けて、拳銃を持つ男の後ろの男に真正面から蹴りを叩きこんだ。

 蹴りを叩きこまれた男は爪を立てられなかったおかげで、即死こそしなかったが、吹き飛び、地面を転がっていく。

 そして川崎は加速と、蹴りを叩きこんだ動きに耐え切れず盾をもったまま拳銃持ちの男に向かって吹き飛んでいた、盾からぶち当たり、ダチョウの素早さと川崎の体重に鎧の重量に更に盾の重量十数キロと言うシールドバッシュを叩きこまれて、一撃で転がって、その命を落とした。

 結果として川崎は盾に乗り、無傷であった。

「武器使ってたら鉈の交換が必要だったな」

  しかしダチョウには後で機嫌を治す為に葉物野菜でもあげないとなと川崎は考えていた。

「まだやるか?」

  盾を構えて、残党たちに川崎が問いかけると残党たちは逃げていく。

   ゾンビアポカリプスが起きて早一年ほど、既にゾンビを処理しているし、暴徒とも何度か交戦経験がある川崎には既に殺人への忌避感は無い。

「おい、お前ら逃げるならこいつら持って帰れよ」

と、死骸を盾で押し出すぐらいの考えだ。

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