医師である田嶋は、助からない癌患者に心を痛めるような真っ当な人間だった。しかし、ある日偶然出会った「21g」という通説により、彼のつまらない日々は変わりだす。何にも興味関心を持てなかったところに、気になるものやのめり込めるものが見つかる。重なった偶然の中に、確信や意味を見出だす。これらは誰もが経験し得ることであり、時に恋のように盲目で、主観的です。作中に登場する通説も、ウィキペディアにも載っているようなものです。それを踏まえると、余計に怖くなってきませんか?